無法状態の野生動物の売買
2011年12月17日付 Jam-e Jam紙


 「ジャングルの王様」の生息地にはまったく似つかわしくない大気汚染にまみれたテヘランで、先週の1週間で2頭のライオンの子どもが見つかった。国内に野生動物密輸業者が暗躍していることを示す事件だ。環境庁はこうした業者を厳しく取り締まることを約束している。

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・通りをうろつくライオンの子どもはどこからきたのか?

 市内をさまようライオンの子どもたちがどうやって、首都の通りに現れたのか、いまだにどの当局者も正確な答えを出せてはいない。しかし動物園から売られたライオンではないか、あるいは密輸業者の手から逃亡したものではないか、と指摘する専門家もいる。

 環境庁のガード部隊司令官であるハミードレザー・ヘイルダール大佐は、この2頭のライオンの子どもを飼っていたと名乗り出ている人物が2〜3名いることを明らかにした上で、「ライオンの子どもたちはパキスタンやアフガニスタンとの国境を通って、車で密輸されたものだ」と指摘している。

 同大佐によると、ライオンの子どもたちを飛行機で輸送することは不可能であり、正式な国境〔管理事務所〕からライオンを国内に入れる許可が出るような可能性もない以上、パキスタンやアフガニスタンの国境地帯から〔密かに〕車で運ばれて密輸されたものに違いないという。

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 この当局者はさらに、「法律は動物の密輸に対する罰金の額を明記してある。ところが、今十分な情報を持ち合わせてはいないのだが、どんな動物を飼っても、それに対する罰金はないのである」と説明した。

 現在、ライオンの子どもたちは自分たちのものだと主張して、環境庁に問い合わせをしてきている人が数名いるものの、動物の保護を担当する当局によってこの主張の真偽が確認されるまで、ライオンを引き渡すようなことはないとのことだ。

・野生動物が飼いたいから

 一部の有識者は、市民の中には野生動物を飼うことのできるような施設を個人の自宅に用意する人もいると指摘する。

 それによると、動物への興味と好奇心から、ライオンのような危険な動物の子どもを自宅で飼い、大きくなると飼うのが難しくなって、道端に捨ててしまう者もいるという。そしてこうした行為によって、市民と動物の安全が脅かされるような事態が生み出されているというわけだ。

・動物園が売る商品としてのライオンの子どもたち?

 その一方で、別の指摘もある。例えば動物愛護協会の会長は、これらのライオンは「エラム動物園」によって売られた可能性があるという。セイエド・ジャーヴィード・アーレ=ダーヴード氏によると、エラム動物園はここ数年、ライオンを人々に売っていたとされ、それが完全に飼いならされた状態で見つかったあのライオンたちである可能性があるというのである。

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 子どものライオンが発見された事件は、野生動物を売買する新たな市場の存在を暴露するものである。自然環境の専門家であるエスマーイール・キャフラム氏の指摘によると、我が国ではライオンは「野生動物」に含まれておらず、家畜やペットと同じ扱いを受けているというのだ。そのため、ライオンは野生動物に関する法律の適用外なのである。

 同氏はファールス通信との会見で、法律上ライオンを飼うことに罰金は存在するのかという問題について、次のように説明している。「だれでもどんな動物を自由に飼ってもいいというわけではない。野生生物〔の保護に関する法律〕によって保護されている熊の子どもや猛禽類などを自然界から採収・狩猟し、カゴや檻の中に閉じ込める場合は、環境庁の許可が必要となる」。

 同氏は続けて、「しかしライオンは、我が国の自然界に野生動物として存在しているわけではない。そのため、ライオンは野生動物に含まれず、家畜やペットのようなものとして位置づけられているのだ。だから、ライオンについては、野生動物に関する法律が適用されないのである」と指摘している。

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(翻訳者:8409088)
(記事ID:24929)