Ertuğrul Özkökコラム:この写真が示すものは・・・
2012年02月23日付 Hurriyet 紙
左から、ギュル大統領、ハイルニサ・ギュル夫人、エミネ・エルドアン夫人、エルドアン首相
左から、ギュル大統領、ハイルニサ・ギュル夫人、エミネ・エルドアン夫人、エルドアン首相

1枚の写真がこれほどまでに多くのことを示すということがあるだろうか?
昨日、今日、明日、そして近い将来を知るパスワードが、これほど隠されているとは!

先の火曜日のヒュッリイェト紙の1面に掲載されたこの写真について、新聞にいろいろ書かれ、テレビでも論評されるだろうと思っていた。
なぜなら、その写真はとても多くのことを物語り、また私の周りではいろいろ話されていたものだから、てっきり私はみんながすぐに反応すると思ったのだ。「ちょっと様子を見よう、みんなの反応を見てからにしよう」と自分に言い聞かせた。
しかし、誰もなにも書かないのには、驚いた。
もう、我慢できない。書いてしまおう。
みんながうわさするものの、誰も書かなかったことを説明しよう。

■男性が起立すべきだったかどうか、について

まず違和感を持ったことからはじめよう。
写真では男性が座り、女性が立っている。
現代的な見方、そして保守的な見方の双方から見て、ひっかかる。
実際、私は(男女が)反対の位置にたっていた方がよかったと思う。
つまり男性が起立し、女性は座っているという状態だ。
これは、間違いか?決まるはあるか?
いや、決まりはないし、間違いでもない。恥ずべきことでもない、そして他の何事でもない。
ただ、なんとなく・・。そう、男としてちょっと引っかかる、ということだ。

■首相はこんな風に座らなければならなかったのだろうか

首相の座った姿は、昨日、公正発展党の青年委員会でスクリーンに映し出され演説していた人間の姿とはまったく正反対だ。
その日の演説では、ダイナミックで、病を蹴散らし、山をも動かす、というような政治家を演じていた。
しかし写真では、疲れ、ぐったりし、心身ともに運を天に任せたかのような人間の姿がある。
まるで健康問題でいろいろ噂されていることを、証明するような座り方だ。
大統領がまっすぐ背筋を伸ばし、生き生きとした様子で座っているがゆえに、両者の正反対の様子が際立っている。
私が首相のマスコミ対応補佐官だったならば、公表する写真はもっと注意深く神経質に精査していたのに。
こうすることは恥ずべきことではなく、まったく反対に必要なことなのだ。
さらに、あとから知ったのだが、マスコミには、みんな一緒に横一列に並んで座った写真も渡されたていたのだそうだ。しかし、編集部にこの写真がくれば、もちろん横に並んだ写真より(今回掲載された)この写真を選ぶのは当然だ。

■真横に並んだ二人の人間はわれわれに何を語るか

写真が物語るに:
世界で17番目の経済大国のトップに位置するリーダーの双頭には争いはない。
写真が物語るに:
大統領と首相の間に問題がないのと同様に、妻たちの間にも何一つ問題はない。
親密さがあるかといえば親密さは、そして協調性があるかといえば協調性も、すべてがある。
写真が物語るに:
政府首脳レベルにおいて今日、問題がないように、次の大統領選挙においてもなんら問題は生じないだろう。

■同じフレームにおさまった二人の女性はわれわれに何を語るか

写真の女性たちに目を移すと...、
エミネ・エルドアン夫人を公的な場で初めて見たとき以来、私は常に、意思を強く持った、個性的な女性というイメージを持っている。ダボス会議に初参加した際に雪景色の中で撮った写真が良くて、ヒュッリイェト紙の1面トップに掲載した。
その後私は、時が経つ中でエミネ・エルドアン夫人の二つの特徴をさらに発見した。親しみやすさとモダンさである。
火曜日に掲載された写真ではそれがはっきり表れている。

ハイルニサ・ギュル夫人に目を向けると、最初に白状しておこう、私は彼女のことがなかなか理解できなかった。
しかし最近は、ギュル夫人にもまたモダンさ、そして自らの信じる道を守ろうという勇気が認められると思う。
ヒュッリイェト紙のコラムニストでもあるドアン・フズラン氏に大統領府文化芸術大賞が贈られた授与式においてですら、ヒールの高い靴の着用を譲らなかったことは本当に印象的であった。

■私に言わせると

一時は私の頭の中に、「政府のトップの二人の人間の妻たちがスカーフを着用していることは、トルコのイメージにふさわしいのだろうか」との疑問があった。率直に言おう、いまやこのような疑問はない。
もはやそこには個性的で、自分に自信を持った、そして自身が貫く姿勢を譲歩しない二人の女性がいると思う。
私の周囲の人々を怒らせることは承知でこれも言っておこう。
二人とも服装が以前よりも日々良くなっている。

■さらに後ろにはすばらしい景色がある

最後に、写真を飾る風景について説明せねばならない。
後ろのボスフォラス海峡の景色と、その前に位置するノーネクタイのシャツ姿は良かった。
今生まれようとしている偉大なトルコの地平を示す良い背景だ。
まあ、この感じを私はとても気に入ったというわけだ。

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( 翻訳者:金井佐和子 )
( 記事ID:25650 )