アーヤトッラー・モスタファヴィー「ゴムですらイスラーム哲学への関心が低くなっている」
2012年05月15日付 Mardomsalari 紙

 イスラーム神学校や大学でイスラーム哲学(ヒクマ)の教授を務め、イマーム・サーデグ大学の哲学・神学グループの座長でもあるアーヤトッラー・モスタファヴィーは、神学生や大学生がイスラーム哲学に慣れ親しむことの必要性を強調した上で、西洋哲学を勉強することは、それ単独では猛毒を喰らうにも等しいとの見方を示し、西洋哲学の授業を提供する一方で、イスラーム哲学には関心を払おうとしないゴムの神学校に苦言を呈した。

 同氏はまた、シーア派信徒が直面している最重要課題は、マフディー信仰を合理的に証明し、また迷妄主義をめぐる問題〔を解決すること〕であるとし、ウラマーや学者たちは理性的証明によって、社会の意識の啓蒙と〔宗教的〕懐疑の除去にいそしむべきだとの考えを示した。

 理性主義的な観点から宗教問題にアプローチしているアーヤトッラー・セイエド・ハサン・サアーダト=モスタファヴィーは、Shafaqana(シーア情報協力国際センター)通信とのインタビューの中で、シーア派は理性主義的な宗派だと述べた上で、「シーア派は、様々な問題を理性という観点から検討を行う宗派である。というのも、クルアーンやハディースも理性的な事柄に関心を向けており、クルアーンの命令や無謬なる方々〔=預言者ムハンマド及びイマームたち〕の伝承に、理性に反するようなことはまったく述べられていないからだ」と説明した。

〔‥‥〕

 イスラーム神学校や大学でイスラーム哲学(ヒクマ)の教鞭を取る同氏は、「哲学は人間の基礎的理性力を強化するが、残念なことに、中にはイスラーム哲学に対して敵意をもっている御仁がいる」と指摘した上で、次のように語った。「西洋哲学の多くは神への冒涜であり、イスラームには役立たない。ところが残念なことに、〔シーア派神学の一大中心地である〕ゴムで西洋哲学が自由に教えられている一方で、神〔への信仰〕に貫かれたイスラーム哲学にはあまり注意が払われていない。あるいは、イスラーム哲学はまったく教えられていないと言ってもいいほどだ」。

 モスタファヴィー氏は、西洋哲学を学ぶ者は、イスラーム哲学も学ばない限り、脆弱な信仰心しか持てないと強調した上で、「残念なことに、西洋哲学は常に〔信徒たちの心に信仰に対する〕懐疑を引き起こしている〔‥‥〕」とも述べた。

 同氏はまた、イスラーム哲学が懐疑を引き起こすときでも、それにきちんと答えを出しており、たとえ〔信仰を〕破壊するようなときでも、それが栄えることを〔最終的な〕目的としていると指摘した上で、Shafaqana通信に「われわれは神学生たちに、西洋哲学を学ぶな、と言っているのではない。そうではなく、西洋哲学だけを学ぶことは、われわれの学生たちにとって、致命的な猛毒となるということを言っているのだ」と語った。

 同氏はさらに、「もちろん、われわれの〔イスラーム〕哲学が広がりを見せていた時代も多かった。例えば、亡きイマーム〔・ホメイニー〕の時代、イスラーム哲学はゴムでよく学ばれていたし、イマームも哲学ならびにエルファーン(イスラーム神秘主義)の普及を行っていた。ところが残念なことに、イマーム〔が亡くなった〕後、〔ホメイニーの教えに対する〕異議のために、それ〔=イスラーム哲学〕を忌避した御仁がいたように思われる。イマームはこの〔イスラーム哲学の〕メッセージの伝道者であるがゆえに、それを貶めようと考えた者たちがいたようだ」と続けた。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:26538 )