キヤーロスタミー監督「イランでは映画はつくらない」
2012年05月30日付 Mardomsalari 紙

【文化部:マルジャーン・ハージー・ハサニー】「保証」‥‥保証という言葉が持ち出されるとき、それは不信感がそこに根を下ろしていることを示している。

 基本的に、不信感というものは人々の過去の記憶に由来するものである。そしてこの問題はときに、イラン人映画監督が祖国で映画を撮る気をなくすほど、深いものになってしまうこともあるのだ。

〔‥‥〕

 こうした不信感が高じて、ついにアッバース・キヤーロスタミー氏は「私が祖国で映画を撮るには、映画作りに対するイランの状況が改善されることが必要だ」と述べたと伝えられている。しかしこうした発言は、映画機構管理評価局の局長にとって、驚くべきものだったようだ。

 『Like Someone in Love』を携えてカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に参加しているアッバース・キヤーロスタミー監督は、イラン学生通信(ISNA)との短いインタビューのなかで、いつまで映画制作活動を海外で続けるつもりかについて、「私が許可を申請すれば、難なく許可は下りる。しかし最低6ヶ月間、もしくは映画ができるときまで、この許可の有効性が続くのかどうか、何の保証もないのである」と述べた。

 『トスカーナの贋作』の監督はその上で、「他人の資金や自分の神経を危険にさらすことはできない。だから、映画制作の許可が本当の意味で下りない限り、私がイランで映画を撮ることはないだろう」と強調した。

 キヤーロスタミー氏は最近の2作品『トスカーナの贋作』と『Like Someone in Love』を海外で制作している。

 これに対し映画機構管理評価局のアリーレザー・サッジャードプール局長はISNA記者のインタビューのなかで、このことについて「以前キヤーロスタミー氏の映画が上映されなかったのは、通常、彼自身の要請によるものだったのであり、イスラーム指導省が彼の映画の上映を妨げようとしているわけではない。実際、『シーリーン』は昨年上映されているし、我々は『トスカーナの贋作』の上映についても、特別な視聴者グループに対する限定上映という形であれ、もっと広い一般への公開という形であれ、〔国内での〕上映の〔許可を与える〕用意がある」と述べている。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:8409161 )
( 記事ID:26634 )