宗教関係者らから物価高に不満の声「国民は物価高騰に苦しんでいる」（下）

　宗教学院「マアスーミーイェ」の第5学年の神学生セイエド・アフマド・ホセイニーさんも、物価高に対する最近の国民の叫喚は以前よりも強くなっていると強調する。同氏は物価高の根源を絶つ姿勢を示すよう、政府関係者らに求めた上で、次のように述べている。

ここ最近、多くの商品や食料品の価格が、1～2ヵ月前に比べて、モノによっては4割から6割も高くなっています。あたかも、この加速的な〔物価上昇の〕流れは止めようがないかのようです。こうした状況の中、多くの家庭が、その言葉の本当の意味で、夕食用のナンにも事欠く状況にあるのです。少しばかりの補助金を〔現金で〕受け取って、なんとか生活をやりくりしている状況なのです。

　ホセイニーさんはその上で、「たとえ現在、世界中が経済危機に直面し、我が国もある程度、その影響を受けていることが事実だとしても、〔政府が〕きちんとした対策を立てれば、この種の困難を克服することは可能なはずです」と続けている。

　ゴムの神学校に通う神学生で、ホッジャトルエスラームのモスタファー・デラフシャンデさんも、政府が様々な領域、特に住宅や道路建設などの分野で努力しているとしても、そのことは物価高に対する国民の不満と矛盾するものではないと指摘し、次のように述べている。

政府は物価高や、失業をはじめとする経済的な問題に対処するために、政策の転換を図るべきです。もし自身の欠点をなくすことができれば、問題の克服も可能だということを自覚すべきです。

　デラフシャンデさんは「最近では農家や果樹園経営者ですら、状況に不満を抱いています」と指摘した上で、「当局者たち、特に農業分野の当局者たちは、農家や生産者らへの支援に尽力すべきです〔‥‥〕」と述べている。

　神学校で教鞭を取るホッジャトルエスラーム・ヴァルモスレミーンのロスタムネジャードさんは、国内で起きている政治的論争に批判を向けている。

実際、物価高やインフレによって、市民、特に社会的に弱い状況に置かれている人たちが、極度の苦境に喘いでいます。そうした状況下で、関係者たちの一部が政治的緊張に巻き込まれ、メディア上でああだこうだと言い争っている様を見るのは、実に残念です。まるで彼らは、国民ことや国民が直面している問題にまったく考えが及んでいないかのようです。

　彼はその上で、「すべてのウラマーや偉大なるマルジャエ・タグリードたち、偉人らが物価高という問題に警告を発しているにもかかわらず、関係する当局者たちがこの問題にまったくの無関心を決め込んでいる様子を、今も目にすることができます。すべきことをちゃんとやっていません！」と吐き捨てた。

物価高への抗議としてハンガーストライキも

　こうしたなか、メフル通信は「被抑圧者たちの権利を守り、物価高と闘う人民会議」から得た情報として、一部の学生が月曜日に、物価高に抗議してハンガーストライキを行う予定であることを伝えている。〔‥‥〕

貧困・失業問題と麻薬問題の関係

　アーヤトッラー・アブドッラー・ジャヴァーディー＝アーモリーは、「どんなことも、神のもとでは簡単なことである。それゆえ、私たちはいかなる困難に直面しても、それは私たちにとっての困難であって、神の前では簡単なことだということを自覚しておく必要がある」と述べた上で、「それゆえ、唯一神にはどんなことも可能なのだ〔‥‥〕」と語った。

〔‥‥〕

　ゴムの神学校の教授を務める同師は続けて、「世界麻薬撲滅デー」に言及、「麻薬の常習は、私たち全員が苦しんでいる問題である」と述べ、さらに「もし職があれば、多くの人が麻薬に走るようなことはないだろう」と強調した上で、「結婚できずに歳を取ったり、貧困によって経済的に苦しい状況に置かれたりすることが、人々が麻薬に走る原因なのだ」と指摘した。

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（翻訳者:ペルシア語記事翻訳班）
（記事ID:27031 )