アフマディーネジャード、国連総会で演説「世界は新たな思想と秩序を必要としている」
2012年09月27日付 Jam-e Jam 紙

 マフムード・アフマディーネジャード大統領は第67回国連年次総会に出席し、演説を行った。その中で大統領は、地域や世界が直面する重要問題に関する我が国の立場を表明した。

 大統領は、今日の支配秩序は差別的であり、不正義に基づいていると述べた上で、

世界が新たな思想と秩序を必要としていることに、疑いの余地はない。人類が神の最高の被造物として、物質的・精神的諸側面を享受できるような秩序、人々や諸国民を侮蔑し、序列化するのではなく、人間としての尊厳を復活させ、それを受け入れることを追い求めるような秩序、あらゆる人の完成と幸福を追求するような秩序を、である。

 と語った。

 大統領はさらに、次のように続けた。

新しい秩序では、恒久的な平和と安全、人類社会全体の福祉が追求されなければならない。人類に対する信頼と愛、さまざまな思想の接近、人々の心や手の触れ合い、そして〔人々を隔てる〕距離の除去に基づいた世界が樹立される必要がある。為政者たちは、人々を愛するべきである。

 大統領は続けて、「この秩序は正義と、法に対するすべての人の平等、同一のスタンダードにもとづくものでなければならない。そこでは、世界の為政者たちは人民の上に立つのではなく、自らを人民の下僕であり、人民に責任を負う立場にあるものと心得なければならない」と述べた。

 アフマディーネジャード大統領は、「このような秩序は、世界の運営への全員の参加なくして実現可能だろうか」との疑問を提起した上で、「各人や各政府がグローバルに考え、その上で重要な国際問題に対して責任感をもって、意思決定に積極的に関わるような時が来れば、明らかに希望が現実のものとなるチャンスが得られるだろう」と指摘した。

 大統領はさらに、次のように強調した。

今や諸国民の時代である。彼らの要求や意志が、明日の世界を決めるのである。よって、全員がともに神を信頼し、少数の貪欲な者たちに対して全力を尽くして立ち上がって、彼らを孤立化させ、諸国民の将来を決める意思決定の中枢から、彼らの影響力を削ぐことが必要なのである。

資本主義体制はすでに行き詰まりに陥っている

 大統領は国連総会での自らの演説の続きで、「今日、われわれは歴史の転換点にいる。一方でマルクス主義体制はもはや世界に地位を有さず、他方で資本主義体制は自らが招いた泥沼に絡み取られ、事実上〔国内・国外問題の〕舵取りに行き詰まっている」と述べた。

 アフマディーネジャード大統領は続けて、「非同盟運動は、権力の二極体制と、手綱をとかれた先述の〔資本主義・共産主義〕体制の〔世界秩序に対する〕構想を否定したことの、歴史的決意の正しさを再び、高らかに強調するものである」と述べ、さらに「今私は、非同盟運動に参加する各国を代表して、世界のすべての国に向けて、世界の意思決定に強力かつ真摯に参加するための準備をするにあたって、各国が積極的な役割を果たすよう呼びかける」と続けた。

 大統領は「正義の拡大とすべての諸国民の権利実現を目的に設立された国連も、実際には差別に絡み取られており、一部の国が世界全体に対して抑圧を行使するための道を開くなど、自らの無力ぶりを事実上拡大させている」と指摘した上で、次のように続けた。

安保理に拒否権という特権があり、権力が独占されていることで、諸国民の権利の行使と防衛の可能性が抑えつけられている。各国の代表から何度も強調されてきたことであるが、構造改革が是非とも必要であるにもかかわらず、これまで実行されたことはなかった。

 大統領はさらに、

私が尊敬すべき総会のメンバーのみなさま、ならびに事務局長とその同僚の方々にしつこく求めたいのは、改革というテーマを真剣に〔国連の〕議題に載せ、それを実行するための適切な仕組みを定めてもらいたい、ということである。非同盟運動は、この重要な問題で、国連を手助けする用意がある。

 と語った。

為政者たちは人民を愛さねばならない

 アフマディーネジャード大統領は国連総会での自らの演説の続きで、「今日世界を支配する者たちの秩序運営の仕方は、物質的な思考に基づくもので、倫理的な価値にコミットしていない。利己心と欺瞞、そして憎悪に基づくものとなっている」と語った。

 大統領はその上で、「特にアメリカやヨーロッパ諸国では、重要かつ恒久的な問題に対する人民大衆の意志や意見は、主要な内政・外政問題にほとんど影響を与えておらず、彼らの叫び声はどこにも届いていない。たとえ彼らが、社会の99%を占めるとしても、である」と強調した。

 大統領はその上で、「倫理的・人道的価値は、票獲得の犠牲となっている。人々の要求に対する関心は、選挙の時の単なる宣伝道具になってしまっているのである」と語った。

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介
されています。)

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:27713 )