アフマディーネジャード大統領「われわれは大規模な経済・心理戦争に巻き込まれている」
2012年10月03日付 Mardomsalari 紙

【政治部】マフムード・アフマディーネジャード大統領は昨日、ドル価格が急騰する中で16ヵ月ぶりとなる記者会見を開き、記者団から寄せられたさまざまな質問に答えた。大統領への質問の中で最も多かったのは、外国為替市場をめぐる問題だったが、国民一般の不安に答えるような回答は、これといって聞かれなかった。ドル急騰の問題に対して、アフマディーネジャード大統領の口から何度も聞かれた唯一の回答とは、「心理戦争」という言葉だった。

〔‥‥〕

 この会見でもう一つ興味深かったのは、アフマディーネジャード大統領がファールス通信を攻撃したことだった。大統領が同通信社を某治安機関〔=革命防衛隊〕の傘下にあると名指ししたことに対し、同通信社に所属する記者が反発、アフマディーネジャード大統領に質問の機会を求めた際、フェルドウスィー広場では1ドルが4万トマーンにまでなっていると明かしたのである。これに対し、アフマディーネジャード大統領からの再度の応酬も見られた。

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 大統領は国内外の記者との会見の中で、イラン学生通信記者の質問に答えるなかで、最近の外国為替市場の混乱について説明を行った。〔‥‥〕大統領は「外貨の問題はどこに由来するのか」との疑問を提起した上で、「なぜ昨年のこの時期に、同じことが取り沙汰されなかったのか。この問題には、イラン国民に圧力を加えようとする二つの要因が絡んでいることは明らかだ。第一の要因は外部要因であり、第二の要因は内部要因である」と述べた。その上で、アフマディーネジャード大統領は敵による対イラン制裁に触れ、次のように説明した。

イランからの石油の購入が制裁対象となった。イランの外貨収入のかなりの部分が石油の販売によって占められることを考えるならば、このことが問題となるであろう〔ことは必然である〕。次にもっと悪いことに、銀行取引も制裁対象となった。つまり石油が販売されても、その収益の支払いが不可能になり、資金の移動ができなくなってしまったのである。

 大統領は、敵は〔対イラン制裁という〕この決定を実行するために全力を動員していると指摘した上で、「一つの大規模で強烈な、隠れた戦争が世界的規模で、散発的に起きている。中央銀行やその他の関連機関にいるわれわれの同僚たちは、解決策を見つけようと努力しているが、他方で彼ら〔=敵〕も〔われわれを潰そうと〕努力している。これは一つの戦いなのである」と言明した。

 同氏は、われわれの石油販売の一部を減少させることに彼らは成功したと述べた上で、「神の思し召しがあれば、〔減少した石油収入を〕補うことができるだろう。これは一つの戦いなのであり、敵はこの戦いで、これらの圧力によってイラン国民を打ちまかすことができると想像している。もちろん、彼らが〔対イラン制裁で〕新たな決定を下すこともあり得るだろう」とも語った。

 アフマディーネジャード大統領はまた〔‥‥〕「われわれは内部からも〔政府を窮地に追い込もうとする〕行動に直面している。外国為替市場での〔投機的な〕行動、心理戦争、プロパガンダなどが、敵と同一歩調を取る形で政府に対して組織化されているのである」とも言明した。

 大統領は「海外との貿易はイラン経済に大きな比率を占めているわけではない」と述べつつ、「この問題〔=外国為替市場の混乱〕は〔敵による〕心理戦争の手段となりうる。市場におけるその心理的影響は大きい」と指摘した。

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:27758 )