アゼルバイジャン当局、ゴムに留学経験のイスラーム法学者を逮捕・拷問
2013年04月04日付 Jam-e Jam 紙


アゼルバイジャンのイスラーム法学者ハーッジ・ターレ・バグラフは、同国の警察で拘留された際に拷問と暴行を受け、右手が麻痺する状態にまで陥った。

■アゼルバイジャン治安機関による逮捕と拷問
アゼルバイジャン共和国のイスラーム系通信は数時間前、バグラフの弁護士の談話として、同国警察によるバグラフへの拷問を報じた。

イスラーム法学者ハーッジ[メッカ巡礼を果たした人への尊称]・ターレ・バグラフは、二日前、アゼルバイジャン治安機関による逮捕が報じられ、一昼夜に及び所在が不明と伝えられた。同国警察は、バグラフに罵倒を浴びせながら拷問・暴行を加え、その結果、バグラフの右手は全く動かせない状態にまで麻痺してしまった。バグラフの家族が彼の弁護士として紹介したジャヴァード・ジャヴァーダフは、バグラフとの面会ののち、[…]次のように語った。

バグラフが私に話したところによると、逮捕後[3月31日に]、彼は鎖で両腕を自身の足に括りつけられ、罵声を浴びせられながら暴行された。その間、手首が圧迫され続けた結果、血行に滞りが生じ、右手が全く動かなくなってしまった。

バグラフは、アゼルバイジャン政府から、覚醒剤所持の容疑で逮捕された。しかし、昨日、国家安全保障省集団犯罪撲滅局により、同局拘置所に移送された。裁判所は、バグラフに対し、二か月の拘留を言い渡した。

■各地で抗議集会、行方不明者も
数日前、アゼルバイジャンのイスラーム系メディアにより、バグラフ行方不明と逮捕拘留の可能性が報じられた際、[イスラーム]革命支持のバクーのイスラーム教徒たちは、4月1日、[バクー近郊の]ナルダラン[村]のイマーム・フサイン広場で数百人規模の抗議集会を開いた。この集会には、警察による干渉もなく、衝突なども起きなかった。

しかし、伝えられた報道によると、この集会に参加していた活動家らのうちバクティヤール・ゴルバノフとロイヤル・アスカラフの二人が昨日以降、行方不明になっている。しかし、バクー警察もこれら二人の人物の逮捕を否定している。

ナルダランに加え、[南部カスピ海沿岸の都市]ランカランでも、バグラフ拷問に対する抗議集会が開かれた。また、このニュースは、トルコのイスラーム系メディアも大きく取り上げ、アゼルバイジャン政府の措置とバグラフ逮捕を非難している。

■ゴムとナジャフに留学の若きイスラーム法学者
ターレ・バグラフは、1984年バクー生まれで、バクー経済大学で経済を学んだ。2005年から2010年までイランへ留学し、ゴムの宗教学院でイスラーム学を修め、その後、1年間、イラクのナジャフの宗教学院で学んだのち、アゼルバイジャンに帰国している。

今回の逮捕は、バグラフにとってアゼルバイジャンでの2回目の逮捕になる。彼は、4か月前にも、同国における高等学校でのヒジャーブ[女性の髪と体を覆うヴェール]を禁止する法律に抗議し、18か月拘留されたのち、釈放された。釈放後の4ヶ月間、様々な活動や演説を行い、バクー当局によるイスラーム教徒や法学者らに加えられた圧力と沈鬱なムードを打破し、同国の宗教関係者らに新しい息吹を吹き込んでいた。

バグラフは、バクーで行った最近の演説の中で、政府による圧力に言及し、彼がモスクへ行くことすら非公式に妨害されていると述べていた。

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( 翻訳者:8400001 )
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