シーズンオフには失業!カスピ海の漁師たち
2013年05月01日付 Jam-e Jam 紙
Jame jam online より。(ゴレスターン州の漁業に関する別記事から)
Jame jam online より。(ゴレスターン州の漁業に関する別記事から)

【同紙15面】漁の季節が過ぎ去り、数週間が経った。昨日まで海を頼みにしていた漁師たちが、今度はゴレスターン州[イラン北東部]の西の大通りや四つ辻で、列を成して日雇いの仕事を探し始める。しかし、彼らの仕事探しの空には暗雲が立ち込めている。

[…]

アイユーブは、そんなゴレスターン州の漁師のひとりだ。本人によれば、長年、漁師をしているが、漁の季節が終わると、仕事と日々の暮らしを賄う金を心配をしなければならない。今年も漁の季節が終わり、彼も通りで日雇い仕事を待つ一団に加わった。

通りの傍らで、仕事をくれる親方を待ちながら、アイユーブはメフル通信の記者にこう語った。

漁師のひと月の稼ぎは、だいたい500万リヤール[約1万7000円]くらいだ。そのうえ、一年のうち6ヶ月は仕事がない。これっぽちの稼ぎで、暮らしていけると思うか?俺たちは、海風にさらされて、顔を真っ赤にしながら働いている。だけど、いつもよそ様や銀行に借金してるような有様だ。

アイユーブは、漁師が重労働で危険が伴う仕事であることから、定年を仕事歴20年までにしてほしいと責任者らに願い出た。なぜなら、多くの漁師は様々な病気を抱えているからだ。彼らの仕事は、肉体的な負担が大きく、身体に害をもたらすものなのだ。

ゴレスターン州漁業水産局・局長のアリー・アクバル・パーサンディーは、この問題について以下のように述べた。

漁師らの保険の問題についても、本格的な取り組みが行われ、協同労働福祉省が、漁師らの保険料の10パーセントを拠出する義務を負うことにした。しかし、現在に至るまでこの制度はうまくいっていない。
今日、漁業は、州にとっても経済的にプラスになる産業ではない。漁師ひとり当たりの[年間]漁獲量は、270キロである。漁獲量が1トン以下である限り、利益はないと言える。


パーサンディー局長は、漁師らへの支援と漁獲量の均衡策に触れ、「昨年は、40人の漁師に対し、総額100億リヤール[約3,300万円]の無担保融資を行った」と述べた。

同局長は、この計画の目的を、漁師一人当たりの漁獲高および収入の増加にあると説明した。さらに、同計画は、様々な方法のひとつであり、問題の解決策ではないとしながら、さらに、次のように述べた。

ゴレスターン州のカスピ海沿岸は、水産物の養殖を行うのに好条件を備えた地域である。この地域を養殖の発展に活用すれば、季節を問わず年間を通して、漁師らに職を提供することが可能になる。海老の養殖、また、[その卵がキャビアとして供される]チョウザメの養殖などにとって、ゴレスターン州は好条件であり、大きな雇用を生み出すことが期待される。これに関わる計画の立案がなされるべきである。


   […]

ゴレスターン州では、21の協同組合のもと1400人の漁師が、漁に従事している。
今年の漁のシーズンには、およそ400トンの漁獲量があったが、これは昨年のシーズンに比べて7パーセント減少している。

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( 翻訳者:8400001 )
( 記事ID:29841 )