「ノー離婚デー」では離婚数の増加を食い止めることはできない
2013年05月04日付 Mardomsalari紙

 当時国家青年庁長官だったメフルダード・バズルパーシュが1389年〔西暦2010年〕に、ズルヒッジャ月1日〔※イスラーム太陰暦の12月1日、西暦では2010年11月8日〕を前にして、同日を「結婚ナショナル・デ—」と命名し、「ノー離婚デー」にしようと提案してから、3年という月日が経つ。そして〔国家青年庁と体育庁を統合して生まれた〕スポーツ青年省が今になって再び、同じことを言い出している。

 ニュースサイト「ファルヤードギャル」が伝えたところによると、ここ数年、社会は離婚という問題に悩まされてきた。最新の公式統計によると、我が国では1時間に17件の離婚が発生しているという。社会における離婚数の増加にはさまざまな原因が考えられるが、これまで当局者らはそのことにあまり注意を払わず、この問題の根本的な原因解決を模索するよりも、むしろ問題の真相を隠蔽し、ポジティブな効果を何らもたぬ、意味のないシンボリックな解決策の提示に躍起となってきたのが現状である。

青年庁の試み

 国家青年庁の責任者たちは同庁が解体される前の最後の数年間、「シンプルな結婚」の普及に向けて多大な努力を注ぎこみ、「結婚ナショナル・デ—」の宣伝に力を入れてきた。例えば、「シンプルな結婚」をテーマとした祭典を開いたり、14枚の金貨を婚資金とした〔質素な結婚契約を結んだ〕若いカップルを称賛したり、〔‥‥〕といったことに力を注いできた。

 同庁のバズルパーシュ長官は、次のように言っていた。「司法省の見解を入れつつ、『ノー離婚週間』を〔国の公式カレンダーに〕組み込む努力をしているところだ。しかし今のところ合意できたのは、ズルヒッジャ月1日を家庭裁判所で『ノー離婚デー』と命名することだけである」。

 言うまでもなく、こうしたバズルパーシュの提案は実現することはなかった。その理由は、彼が政府にとどまることができず、また国家青年庁も存続しなかったことにあるのかもしれない。バズルパーシュが〔自動車メーカーの〕SAIPAの代表取締役に就任した際、彼は結婚の普及のために、同社が製造した車を「花嫁車」として若者に無料で貸し出す計画を実施したこともあった。この計画は、「シンプルな結婚」の普及のために実行に移された、唯一の施策であった。しかしこうした施策も、結婚数の増加にも、離婚数の減少にも、効果はなかった。

「ノー離婚デー」、再び

 3年前から現在まで、〔ズルヒッジャ月1日を〕「ノー離婚デー」と命名するという話は立ち消えとなっていたが、スポーツ青年省の文化・教育問題担当次官が最近になって明らかにしたところによると、ズルヒッジャ月1日を「アリー閣下とザフラー閣下の結婚記念日」〔※アリーは初代イマーム・アリー、ザフラーはその妻ファーティマのこと〕とし、同日を「ノー離婚デー」とする提案が、同省から出されているという。同氏は「もし承認されれば、同日、登記事務所はいかなる離婚の申請も受け付けないということになるだろう」と述べている。

 セイエド・バーゲル・ピーシュナマーズィー氏はイラン学生通信とのインタビューの中で、〔‥‥〕「この案はいまだ国レベルで承認されてはいないが、スポーツ青年省文化・教育問題局の結婚計画・家族向上課は92年〔2013年〕から、ズルヒッジャ月1日〔=2013年10月6日〕を『ノー離婚デー』とし、役所で離婚を一切受け付けない日とするべく、努力しているところである」と語ったのである。

果たして離婚は減少するのか

 国の公式カレンダーに「ノー離婚デー」を組み込むとする提案が出される一方で、国内の離婚数は急上昇している。当局者らは国内の離婚数の増加の本質的な原因を考えることなく、たとえ実行に移されても、離婚数の減少には何の効果もないようなシンボリックな命名によって、自らの心を満足させようとしているのである。

 経済問題、失業、インフレなどが国内の結婚年齢を押し上げている。実際、手元にある統計によれば、国内には25歳以上で未婚の女性は400万人以上おり、この数は男性でさらに高くなっている。経済問題、特に失業や住宅問題は、若者が結婚を回避する原因となっている。しかしもし彼らが結婚を決意したとしても、経済問題をはじめとするさまざまな困難が若いカップルを苦しめ、共同生活の継続年数を短くし、別れる以外に仕方がない状況に彼らを追い込んでしまう。さらに、ここでは詳細には立ち入らないが、社会に広く蔓延する文化的・社会的問題も、離婚数の増加に影響を与えている。

 こうした状況にもかかわらず、当局者らは離婚数の増加の原因を突き止めようとせず、ただシンボリックなプロジェクトを立ち上げれば、危機的様相を帯びつつあるこの問題を解決することができるなどと想像しているのである。

 「ノー離婚デー」を国の公式のカレンダーに組み込み、同日、登記事務所での離婚の申請は一切受け付けないという風にすれば、果たして離婚数の減少を期待することができるようになるのだろうか。それとも、「ノー離婚デー」の翌日、登記事務所への離婚の申請が2倍に増えるだけなのだろうか?

 この疑問への答えはあまりにはっきりしており、これ以上の贅言は要しまい。この種のシンボリックなプロジェクトで、国家的危機との闘いに赴くことなど、不可能なのである。

(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。)

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(翻訳者:ペルシア語記事翻訳班)
(記事ID:29888)