デザートが嫌いな人は、悲しい人だ
2013年05月19日付 Milliyet紙


料理歴史家で作家のチャールズ・ペリー氏が、トルコ料理協会のゲストとしてイスタンブルを訪問した。「バクラヴァは多くの国でつくられているが、オスマン帝国の宮殿で今日私たちが食べている形になった」と言うペリー氏は、「私の記録はバクラヴァを8つです。デザートが嫌いな人は悲しい人ですよ」と述べた。

先日、イスタンブルは国際ガストロノミー(美食)界の非常に重要な人物を迎えた。ガストロ・イスタンブル・フェスティバル(5月7日~12日開催)で、トルコ料理協会がイベントを開催した。これに参加した作家、シェフ、ワイン専門家グループの中のとある人物が、私たちの料理文化について一際重要な研究をしていた。中東言語の専門家で、アラビア語で書かれた食文化についての非常に重要な史料を英訳したチャールズ・ペリー氏は、業界では向かうところ敵なしの人物だ。探偵のように古いレシピを追い求め、その発見を作家の熟練した技で記し、必ず台所に入ってそれを実際に調理するこの料理歴史家を、彼の国の人々は最も相応しい名で呼ぶ。多才なペリー氏は、母国アメリカで「美食界のルネサンス人」として認められているのだ。

ペリー氏は、毎年イギリスのオックスフォードで開かれている食のシンポジウムの常連で、また南カリフォルニアの料理歴史家で結成された協会の創設者であり会長だ。彼がイスタンブルで行った演説は間違いなく、最も有益なプレゼンの一つだった。イスラム文化の食事と中世アラブ料理についての著書と、これまで発表した研究の中でも、1990年の研究は我々にとって非常に興味深い。ペリー氏は、近隣諸国が「我々のものだ」と何世紀にも渡って取り合ってきたバクラヴァが、その起源は複雑であるが、オスマン帝国の宮廷料理で最終形態になったと述べた。彼がこの主張を強い口調で発表すると多くの国は落胆したが、トルコ人の心をつかんだのだ。
(中略)

■「バクラヴァは上品で驚きのあるデザート」

―トルコへは何度も来ていらっしゃいますよね。

「イスタンブルは15回目です。」

―仕事上、いろいろな都市へ行かれたと思いますが。

「もちろんです。ある時はブルサで500年前の手書きの文書を追ったことがあります。またあるときは、ただ写真で見たものや建築に惹かれてアマスヤへ行きました。トラブゾンもサムスンへも。それからもちろんガズィアンテプへも…でも残念ながら2回しか行ったことがありません。」

■「決して簡単なものはつくりません」

―料理の第一印象はどうでしたか?

「アイフェル・ウンサル氏が私を案内してくれました。もちろんとても豊かな食体験をしました。あの光景は今でも目に焼きついています。ある通りへ入ったんです、全てが真緑でした。ピスタチオがどれほど目を引く緑色だったか覚えています。」

―ご自分でも料理をされるのですね。何をつくるのがお好きですか?

「簡単なものはつくりません、絶対に。私にとって台所に立つことは楽しみでなくてはなりません。例えば今度モンタナへ行くのですがそこで友人たちに料理をふるまう予定です。」

―メニューを今から考えているのですか?

「まだ決めていませんがガズィアンテプ料理にするつもりです。アイリン・オネイ・タン氏が執筆した『熱と太陽の味」』をとても気に入っています。その本から選ぶ料理と、まだ食べたこのことない料理でガズィアンテプ式宴会を開こうと思っています。」

― バクラヴァをひとつのデザートという以上に、ご自身で感じたものから定義するとしたらどうでしょう?

「なかなか解けなかった問題の答えが、本来どれくらいシンプルだったかを知るようなもの、と言うでしょうね。バクラヴァはとても特別なデザートです、優美で上品で、なおかつ驚きがあります。

―ピスタチオのバクラヴァが好きですか?それともクルミ入りですか?

「もちろんピスタチオです。ヘーゼルナッツも美味しいですね、クリームのような他の素材と一緒に食べるのも好きです。家族はクルミ入りを食べ慣れているのに、私はクルミのバクラヴァを全く好まないんですよ。」

―アンテプのバクラヴァの他にお気に入りはありますか?

「ダマスカスのバクラヴァがおいしいです。トリポリのもとてもおいしいですね、小さくてかわいらしいバクラヴァです。」

―あらゆる国々で、バクラヴァがどうやってつくられているのか見ていらっしゃるんですよね。おもしろそうな話もあるでしょうね。

「一つの話もない場所もあります。例えばシリアです。疑問に対する答えは全く得られませんでした。少しでも調べようとするなら、「なぜ聞くのか、何をするんだ?」と言うのですよ。村々を回って手書きのレシピについて詳細な情報を手に入れようとやってきた旅の途中でした、私を案内していた運転手が根を上げて、『無駄に疲れるのはよしなさい、この連中はレシピを息子にさえ教えないよ』と言ったんです。」

■「ギリシャ人は愉快だが食事に対して真剣ではない」

あなたの論文は、バクラヴァの起源を主張するギリシャ人の意見を論破していますが、彼らの意見をどう見ていますか?

一般的にギリシャ人は愉快な国民ですが、食事に対して真剣ではありません。アイスクリームとコーヒーを同じ温度で出すような人たちです。彼らのバクラヴァの理解もこのようなものです。」

―一度に何切れのバクラヴァを食べることができますか?

「4つか5つですかね?記録では8つです!」

―デザートがお好きですよね、間違いなく…

「嫌いな人がいますか?デザートが嫌いな人は私からすれば悲しい人です。」


(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。)

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(翻訳者:小川まどか)
(記事ID:30023)