海の健全化、いまだ道半ば
2013年06月11日付 Jam-e Jam紙

イラン北部地域への夏季旅行が始まっているが、その一方で現地の海岸では旅行者らを迎え入れる準備が整っていないのが現状

【イラン部:ファーテメ・モラードザーデ】イラン北部州のカスピ海沿岸地域には毎年、特に春と夏の季節になると、何百万人という観光客が訪れる。しかし、そのために必要とされる十分な設備はいまだ十分に整っていない。こうした不十分さを埋めるために20年前から行われてきた海岸健全化計画も、いまだこれらの問題を完全に解決するだけの効果をあげていない。

 ここ1週間のことだが、アーモル市チャメスターン海岸で母親がモーターボートのプロペラで手と体の一部を切断し死亡する事故が起きた。この他にも、この手の事例は時折各地の海岸で発生しており、また海での溺死者数も非常に多い。こうした問題が示すのは、当局者らはさまざまな約束をしたり、提案を行ったりしているにもかかわらず、1年間の仕事の疲れを癒すためのリゾート地としてイランの北部や南部の海岸地域を選ぶ観光客や旅行者に、いまだ安全・健全な空間を用意出来ずにいるという事実である。

 最新の研究や統計によると、イランは南北合わせて5,789キロメートルの海岸線を有しており、そのうち4,900キロメートルが南部、889キロメートルが北部の海岸である。これらの海岸は、国内外から観光客を集め、経済的な利益を生むのに重要な役割を有している。にもかかわらず、これらの海岸は最低限必要な設備も有していないばかりか〔※原文では「有しているだけでなく」とあったが、誤記と判断〕、毎年、休暇や旅行のピーク時ともなると、多くの旅行客が溺死する事故を目の当たりにするのである。

予算不足が健全化計画の主要問題

 こうした自然のもつポテンシャルをさらに有効に活用し、かつ人命の安全を確保して旅行者のニーズに応えるべく、「海の健全化計画」が革命後、約20年前から北部諸州の海岸で実行に移されてきた。しかしこの計画は、当局者の努力とそのために費やされた多額の費用にもにもかかわらず、何年経ってもいまだ多くの制約と欠陥に直面しており、観光客のニーズ全てに応えられていない。

 権限の集中した特定の管理者がいないことや予算の不足が、関係者によれば、これまで計画の完全かつ正確な実施を妨げてきた要因の1つになってきたという。

 マーザンダラーン州政治・治安問題担当副知事は、同州が有する300キロメートル以上に及ぶ海岸線に言及し、ジャーメ・ジャム紙に次のように語っている。「これらの海岸地域の大部分は官公庁および〔‥‥〕民間部門の管理下にある。第10期政権〔=第2次アフマディーネジャード政権〕では、政府機関の管理下にあった約40%の〔沿岸〕地域が自由化され〔て、公共の利用に供されるようになっ〕たが、しかし大部分は依然として民間部門の管理下にある。そして社会的・文化的領域でわれわれが直面している問題や溺死事故の多くも、こうした地域で起きているのだ」。

 ハーディー・エブラーヒーミー氏はまた、この地域を自由化して、これらの海岸で〔健全化〕計画を実行するためには、1兆トマーン〔※公定レートで約800億円、自由レートで約285億円〕の予算が必要だと指摘した上で、「マーザンダラーン州内の海〔=カスピ海〕に対して、国民的視点が欠如していることが、我々の抱える主な問題の一つなのである」と加えている。

〔‥‥〕

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(翻訳者:8411181)
(記事ID:30483)