イスラーム革命最高指導者が強調「イスラーム世界に最も必要なのは一致団結」
2013年06月08日付 Jam-e Jam 紙

敵の真の計画は、イスラーム教徒間に対立と紛争を生じさせること

 預言者としての使命がムハンマドに下されたことを記念するマブアス祭に合わせ、体制の責任者や国会議員、イスラーム諸国の大使、ならびに偉大なる殉教者家族らが、イスラーム革命最高指導者のアーヤトッラー・ハーメネイー閣下に謁見した。

 最高指導者事務局の広報サイトによると、アーヤトッラー・ハーメメイー閣下はこの面会のなかで、マブアス祭に祝辞を述べつつ、「現在の状況下におけるイスラーム共同体の最も重要な義務は、自身がいかなる道を進むべきか、そしてまた敵の計画について、しっかりと認識することである」との見方を示した。同師はその上で、「敵の基本的狙いとは、イスラーム教徒の間に対立と紛争を生じさせることである。それ故、イスラーム世界にとって最も必要とされるのは、一致団結し、心を一つにして協力し合うことである」と強調した。

 同師は、神の預言者たちや彼らの真理への呼びかけに対して〔歴史上〕常に嫌がらせや妨害が存在してきたことについて触れ、〔‥‥〕「イスラームの呼びかけに対する妨害や敵意は、今も存在する」と強調した上で、次のように指摘した。

人間の幸福を確保することに、マルクス主義やリベラリズムによる非宗教的呼びかけが失敗した今、さまざまな思想や眼差しがイスラームに注がれている。正義を希求し、人間の尊厳を尊重する思想の中心としてのイスラームへの敵意が強まっているのは、そのためなのである。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、イスラームの預言者に対する侮辱行為こそ、こうした敵意の一例に他ならないとした上で、「世界で起きているイスラームに対する侮辱行為や反イスラーム主義が、〔米英などの〕大国の諜報機関による謀略と、彼らの金銭的サポート無しにあり得るものとは、到底思えない」と加えた。

 同師は「思想の膠着・石化など、一部のイスラーム教徒の行動や態度が、反イスラーム主義を正当化する口実を覇権主義的な大国に与えているのだ」と力説し、「イスラーム教徒は〔世界の人々の〕心を引きつけるために、明確に、勇気をもって、また誠実かつ公正な態度でイスラームへの呼びかけを行うべきなのである」と述べた。

 イスラーム革命最高指導者はまた、「イスラーム教徒たちは、イスラームの預言者ならびにすべてのイスラームの信徒たちが歴史上そうしてきたように、イスラームのメッセージに対する敵意に抵抗しなければならない」と指摘した。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、イスラーム共同体が明晰さを保ち、イスラーム教徒の進むべき道を知ること、それと同時に敵が思い描いている〔世界支配に向けた〕ロードマップを認識することの必要性を説いた上で、

敵が基本的に狙っているのは、イスラーム教徒間に対立を引き起こし、イスラーム諸宗派の互いに対する偏見を煽ることである。敵はそうすることで、イスラーム共同体の関心を敵の本丸、すなわち腐敗した資本主義や略奪的で冷酷無情なるシオニズムから逸らそうとしているのである。

 と指摘した。

 同師はその上で、「イスラーム共同体は、〔イスラーム世界を構成する〕諸国民であれ、あるいは〔イスラーム諸国内部で活躍する〕政治関係者ないし知識人であれ、こうした敵のロードマップを知り、それへの対策を講じることが必要である。また、誤った行動に陥ることのないようにしなければならない」と強調した。

 同師はさらに、「覇権主義的な大国はイスラーム教徒の間に対立を生じさせることで、彼らが抱えている本質的な問題の所在や、彼らが必要としている進歩〔のあり方〕について、気がつかぬよう仕向けているのである」と付け加えた。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はまた、「西洋はかつて、植民地支配によってこの目的を追求していた。そして今、彼らはイスラーム教徒間に対立を生じさせることで、同じ目的を追求しているのである」と指摘した。

 同師はさらに、「もちろん、西洋は人権擁護や民主主義への支持をスローガンとして掲げてはいるが、それによって植民地支配という彼らの恥ずべき過去を洗い流すことなど不可能だろう」と強調した。

〔‥‥〕


(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。)

Tweet
シェア


関連記事(最高指導者「西洋がアフリカで見せている新たな動きは、ムスリム間の対立の結果」)
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:8411027 )
( 記事ID:30509 )