ロウハーニー次期大統領「イラン国民の正当な権利については妥協しない」(2)
2013年06月18日付 Jam-e Jam 紙

 「あなたが率いることになる政府にとって、優先課題は何になるか」との問いに対し、ロウハーニー師は「最重要優先課題は、経済と人々の暮らしにかかわる問題である」と答えた。

 同師は経済的問題の解決の必要性を強調したうえで、「第一に、ラマダーン月が近いということに鑑み、国民が必要としている基本物資の確保に、現政権と協力して努める必要がある。というのも今のところ、〔次期〕政権発足まで法的な手続きを経る必要があるからだ。こうしたことから、私の協力者たちが現政権と連絡を取り、現局面の問題解決に向けた委員会を立ち上げようとしているところである」と述べた。

 同師は、今後の国の経済を安定させるための政策作りが自身の経済政策の〔主要な〕一部となるだろうとした上で、「国がもつ経済的ポテンシャルを活用し、それを活性化させなければならない。通貨供給量を速やかに抑え、〔それを投機ではなく、生産部門に〕誘導する必要がある。もしこうしたことが整然と行われるならば、ポジティブな一歩が踏み出されたということになるだろう」と付け加えた。

高レベルでの対話に向けた新たな機会

 次期大統領は、自身が率いる政府の外交政策についての質問に答えるなかで、「新政府は、世界との高レベルでの対話に向けた新たな機会が生まれたと感じている。この機会は、国民が選挙への参加によって作り出したものなのである」と述べた。

 同師は、世界各国との関係や対話は互いに対する敬意によって手に入れられるものだと指摘した上で、「互いに対する敬意に基礎を置いた協調関係〔の維持・構築〕こそ、この政府の基本政策である。これはイランにとってのみ利益となるのではなく、イランと世界にとっても利益となる」と述べた。

 サウジアラビア国王から寄せられた祝福のメッセージ、ならびにイラン・サウジ両政府の関係について問うたある記者の質問に対し、第11期イラン大統領となるロウハーニー師は「外交政策における政府の優先課題は、近隣の15ヵ国すべてと友好的で近しい関係をもつことである」と答えた。

 同師はさらに、「ペルシア湾岸地域とアラブ諸国は戦略的重要性を有している。つまり、ペルシア湾岸諸国は我々の隣人であり兄弟なのである。しかしサウジアラビアはわれわれの兄弟であり、近隣国であるというだけでなく、ムスリムが礼拝する場所〔=メッカ〕も同国にあり、我々は文化的、歴史的、地理的に極めて近しい関係をともに有しているのである」と付け加えた。

 ロウハーニー師は、年間数十万人もの人が「神の家」を訪れるためにイランからサウジアラビアへと渡航していると指摘した上で、「両国の間で協調・協力関係を築くための環境はすでに整っている」と述べた。

 次期大統領はシリア情勢に関する質問に答えるなかで、「シリア問題の解決はシリア国民の手に委ねられており、シリアの命運を決めるべき最終的な意思決定者はシリア国民である。もちろん、我々はテロには反対であり、域内諸国や世界各国の協力の下、可及的速やかにシリアに平和が回復することを願っている。シリアで起きることが、シリア国民の望むものとなることを希望する」と語った。

つづく



(本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:8410016 )
( 記事ID:30549 )