大統領選挙に乗じて、アメリカ車を輸入を目論む?:アラス自由地区のイール自動車
2013年06月12日付 Hamshahri 紙
同社HPには「アラス・イール自動車:イランにおけるジェネラルモーターズ限定代理店」との表記が (http://www.el-khodro.ir/index.phpより
同社HPには「アラス・イール自動車:イランにおけるジェネラルモーターズ限定代理店」との表記が (http://www.el-khodro.ir/index.phpより

【ハムシャフリー・オンライン】約2か月前、近日イランへアメリカ車輸入と発表していた国内の某輸入会社[イール自動車]が、大統領選挙の幾人かの候補者らを支援するという最新の措置に出た模様だ。

 ISNA(Iranian Students News Agency)の報道によれば、イランとアメリカの国交断絶から約35年経とうとしている今、同社は、イランへのアメリカ車輸入に関する広告をイラン発信で始めたのである。

この会社の担当者らは、クライスラーやシボレー、GMC(ジェネラルモーターズ)、ビュイックといったアメリカ車の展示会を(テヘラン北西部の)「ネギーン・タワー」[のイベント会場]で開催する予定であると述べた。しかし、その主張を、もちろん専門家らは実現不可能であるとみている。

 他の某自動車輸入業者は、これについて以下のように述べる。

  輸入法によれば、販売代理店および販売後のサービスを請け負う代理店がイラン国内にある車だけを輸入できることになっている。アメリカ車はこれらの要件を欠くのである。

さらに、この業者によれば、国内のすべての輸入会社はアメリカ車を近隣諸国から集め、それらを貿易自由地区[※1]に輸入することは可能である。しかし、これらの車にナンバープレート登録をして国内へ入れることは出来ないのである。

※訳注1:イラン国内にはペルシア湾岸のキーシュ島などをはじめとする、8つの自由貿易地区が指定されている。なお、本記事の「アラス・イール自動車」は、イランと[アゼルバイジャン共和国]ナヒチェヴァン自治共和国との国境の都市「ジョルファー」を中心とする「アラス貿易産業経済特区」内の自動車輸入会社。

 こうした状況にも拘らず、「イール自動車」はアメリカ車の輸入において大規模な広告を打ち始めた。さらに最近では、大統領選挙の一部の候補者らを支援し、その活動は政治色も帯びてきている。それはすなわち、企業や民間のディーラーの暗黙の慣習から外れ、「選挙現象」にも乗じようとしている点である。

加えて、この会社の広告のひとつではシボレーの写真の横に以下のようなキャッチコピーが書かれている。

  34年の時をへて伝説が帰ってきた、2013年大統領選挙カーニヴァルの真っただ中にいるあなたとともに

 また、同社は公式サイトで以下のように自社を紹介している。

  イール自動車会社は、アメリカ・ブランドの自動車をアメリカからイランへ直接輸入し、かつ、他のブランドによって合衆国で生産されている自動車もイランへ輸入する、イランで最初の会社です。


 ジェネラルモーターズは、100年以上の歴史を持つアメリカ最大の車メーカーである。この会社は世界37カ国にてさまざまな自動車の生産工場を持っており、ビュイック、GMC(ジェネラルモーターズ)、キャデラック、イスズ、スズキ、オペル、ホールデン、シボレー、[イギリス・]ヴォクスホールといったブランド車の生産を行っている。

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( 翻訳者:8411174 )
( 記事ID:30551 )