国会議員が批判「国が保有する外貨の一部が贅沢品の輸入に使われてきた」
2013年07月02日付 Mardomsalari 紙

 国会の鉱工業委員会のモアイェド・ホセイニーサドル議員は、この8年間の輸出入管理のための外貨の政策には混乱した状況が生まれていたと指摘した上で、「国の保有する外貨資産の多くが、贅沢品や高級車、食料品、衣類、化粧品などの輸入に使われ、我が国に不労所得〔の原因〕を生み出してきた」と述べた。

※訳注:現在イランでは為替レートが多元化しており、そのため(下記に述べられているように)1ドル約1200トマーンの公定レートでドルを調達し、それを贅沢品等の輸入に用い、そうして輸入した商品を1ドル約3500トマーンの自由レートで計算し直して市場に売る、という形での「不労所得」(不正な手段を用いた不当な利益、濡れ手で粟の利益)を、一部の特権的な貿易関係者が貪っているのではないかとの疑惑がくすぶっている。なお1ドル約1200トマーンの「公定レート」は廃止されることが、7月6日に中央銀行によって決まった。

 同氏は、第9期及び第10期政権〔第一次・第二次アフマディーネジャード政権〕の輸出入管理に関する評価を行った上で、「近年生産に害を及ぼしてきた問題の1つに、輸入政策の不安定さがある。つまり、生産者は国内に適正な市場が生まれるとの期待から、生産ラインを建設したものの、突如として同じような製品が大量に輸入される、といった事態に直面してきたのである。こうしたことが、国内の生産を麻痺させてきたのである」と指摘した。

 国会通信の報道によると、同氏はさらに次のように続けた。

私の考えでは、もし過去数年間、外貨の価値を現実的な観点から評価し、商品の輸入手続きに対して十分な管理を行っていれば、そして公定外貨が不必要な製品の輸入に費やされるようなことが起きなければ、現在の国の状況は今よりも格段によかったはずである。

 同氏は、国が保有する外貨資産の多くが贅沢品や高級車、食料品、衣類、化粧品などの輸入に使われてきたと強調し、「これらの製品を公定外貨で輸入する必要はまったくなかったにもかかわらず、こうした状況のために、国内生産には害が及び、多くの外貨資産も国外に流出してしまった。そして一部の者は『濡れ手で粟』の状況を利用し〔て、莫大な収入を労せずして得〕たのである」と明言した。

 第9期国会の議員(ホイ及びチャーイパーレ選挙区選出)である同氏は続けて、「〔公定レートである1ドル〕1226トマーンで高級車を輸入し、それを〔自由レートである1ドル〕3600トマーンで売りさばくなら、それだけで〔投資した金額の〕3倍もの不当利益が発生するのである」と付け加えた。

 国会の鉱工業委員会のメンバーを務める同氏は、〔現政権での〕出入管理のための外貨政策には、多くの欠陥と混乱が存在すると言っていいだろうと述べた上で、

監視の面での政府のパフォーマンスは貧弱なものだった。政府が所有する外貨で不必要な品が輸入されても、この製品は果たして消費者の手に届くものなのか、それともブローカーたちの間で流通するだけのものなのかといったことについて、いかなる機関も監視を行わなかった。こうした輸出入管理における貧弱さは、鉱工業商業省という組織に依然として残存し続けていることは、言うまでもないだろう。

 と指摘した。

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( 翻訳者:5213003 )
( 記事ID:30735 )