国会議員「国際的な領域では穏健な視線が必要」
2013年07月14日付 Mardomsalari 紙

 ある原理派国会議員は、閣僚に誰を選ぶかで、次期大統領が唱える穏健主義の思想が具体的に何を意味するのかが見えてくるだろうとの見方を示した上で、「大統領は、〔‥‥〕論争の的とならないような人物を〔閣僚に〕起用するべきだ」と述べた。

 ホッジャトルエスラーム・ヴァル・モスレミーン〔※アーヤトッラーよりも学識・地位的にワン・ランク下のイスラーム宗教指導者に対する尊称〕のゴラームレザー・メスバーヒー=モガッダム師は、イラン学生通信とのインタビューで次のように述べた。

次期大統領が表明した「穏健」というスロ-ガンは、実に耳あたりの良いスローガンである。コーランの中でも、「穏健」という意味の「イクティサード」という語や、「中庸」という意味の「カワーム」という語を使って、極端に走ることは慎むべきことであり、中道を旨とすべきだということが強調されている。敵・味方の関係についてですら、度を過ごしてはならないことが強調されているのだ。

※訳注:現代ペルシア語では、「イクティサード」(エグテサード)は「経済」、「カワーム」(ガヴァーム)は「支え」という意味である。

 同議員はさらに、こう続けた。

「穏健」は、誰もが好む公正で適切な姿勢である。ところが遺憾なことに、最近では極端な態度をいつも目の当りにしてきた。人材の登用にあたっては、あまり意味のない、誤った線引きが行われ、〔‥‥〕好ましい人材が活用されなかった。我々はこのような極端な態度によって、専門知識をもった精鋭で有能な人材を失った。

 テヘラン選出の同議員はまた、「ロウハーニー師の穏健というスローガンは適切なものであり、彼がこの穏健という視線によって、多くの人材を活用することができるものと、私は確信している。彼は穏健を掲げることで、内政・外交両面で、負の影響を残すことなく、多くの仕事を理性的にこなすことができるだろう」と述べた。

 メスバーヒー=モガッダム議員は、「穏健主義へのコミットメント〔を証明するため〕には、次期大統領は閣僚選任においても、穏健に行う必要がある。彼はフリーハンドであり、幸いなことに左右いずれのグループにも、また原理派、改革派いずれの党派にも借りはないので、両陣営から人材を選ぶことができるだろう」と指摘した。

 同師は「次期大統領は、党やグループの立場を前面に押出さない人物を内閣に誘うべきだ」と述べた上で、「ロウハーニー師の中道的で穏健な見方を考えるなら、彼はそのようなことをするものと思われる。実際、両陣営の穏健主義者たちこそ、よりよい仕事をともにこなすことができるだろう」と述べた。

 原理派に属する同議員は、「〔‥‥〕論争の的とならないようような人物が閣僚として加わるのが良い。能力が高く、政治的な論争の的ともなっていないような人物は少なからずいる。そういった人たちこそ、政府と議会の間に調和をもたらすことができるだろう」と明言し、さらに「閣僚の選任にこそ、新政権の穏健の思想が現れるだろう」と述べた。

〔‥‥〕



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:3413001 )
( 記事ID:30829 )