ウルミエ湖を待ち構える塩沙漠の運命:すでに75%が乾燥
2013年07月20日付 Jam-e Jam 紙


【社会部:メフディー・アーイーニー】専門家らがウルミエ湖の危機的状況について初めて警告を発してから、約13年が経過した。しかしこの問題に対しては、今日まで積極的なアクションが取られてこなかったばかりか、ウルミエ湖の状況は日に日に悪化している。少し前のこと、第9期国会のウルミエ選出議員が〔国会での〕演説の中で、ウルミエ湖の状況について危機的と形容した上で、もしこのままの状態が続けば、近い将来、アゼルバイジャン地方はアゼルバイジャン沙漠と呼ばなければならなくなるだろうと警告するまでに、状況は悪化しているのだ。もしこのままの状態が続けば、また責任者たちによる無能なマネジメントが予算不足の陰に隠れて看過されるようなことになれば、世界第二位の塩湖であるウルミエ湖が塩沙漠になるのも、そう遠いことではないのである。

 ウルミエ湖の状況が悪化の一途を辿ってきたここ数年、無数の解決策が提起されてきたし、今もされている。しかしこれらの解決策が抱える唯一にして最大の欠点とは、それが机上の空論だということだ。

 この間多くの人が、ウルミエ湖をきっかけとして案を示しては、言わば「騒ぎ」を起こしてきたが、それは彼らの自己アピールに過ぎなかった。少なくない数のこうした人々は、いざ行動という段階になると無力になり、なんの仕事もできない連中である。そしてこうした連中が引き起こした騒ぎの結果、13年を経てウルミエ湖問題が日に日に深刻の度を増すという事態が生じているのである。

 第9期国会のマフディー・イーサーザーデ議員はこの問題について、ジャーメ・ジャム紙に「ウルミエ湖を救うために、これまでなんのアクションも取られてこなかった。ウルミエ湖が現在、塩分濃度の高い水たまりと化してしまったのも、そのためだ。実際、75%の水がすでに蒸発してしまっているのだ」と語った。

 イーサーザーデ氏によると、こうしたことはさまざまな資料や専門家らによる研究に基づいた指摘だという。同氏はその上で、次のように続ける。「こうした情報や資料すら必要ない。テヘラン=ウルミエ間のフライトに乗って上空からウルミエ湖を見れば、誰でも問題の深刻さを理解するだろう。湖の惨状を理解するのに、詳細な研究や正確な測定など必要ないのである」。

 その一方で、専門家らはこれまで何度も、湖の枯渇という結果について警告を発し、湖が干上がることで塩の嵐が発生し、湖周辺の住民たちの生活が麻痺状態に陥るだろうと指摘してきた。

 イーサーザーデ氏は次のように続ける。「もし湖に残った水までもが干上がり、塩の粒子が大気中に巻き上がるようなことになれば、東西アゼルバイジャン、コルデスターン、及びアルダビール南部の各地域はルート沙漠のようになってしまい、この地域をアゼルバイジャン砂漠と呼ばなければならなくなるだろう」。

 第9期国会の議員である同氏は、この危機は知らぬ間に爆発しつつある原爆のようなものだと指摘する。同氏は次のように強調している。

すべての責任者が、この厳しい現実を知っている。電力相から環境庁長官まで、すべての責任者が、である。これらの親愛なる人々は間違いなく、私よりも多くのことを知っているだろう。しかしそれに注意を向けようとはしない。なぜかは分からない。しかし指摘しておかねばならないのは、東西アゼルバイジャン地域は2万4千人もの殉教者を出した地域であり、それゆえ、彼らをこのように遇することはまったく不当だ、ということである。

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( 翻訳者:8410105 )
( 記事ID:31035 )