失業するために勉強!:76万8千人の大卒者が失業中
2013年08月22日付 Mardomsalari 紙

【経済部】世界の先進国や発展途上国の多くとは異なり、我が国で昔から通例となっている教育・文化上の慣習に、良い職を得て、教育の恩恵に最大限浴したければ、より高い段階へと就学を続けよ、というものがある。こうした考え方が、残念なことにさまざまな面から、国の経済や教育レベルに損害を与えてきたのである。

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 最新の国勢調査によると、現在国内には、短大卒から博士号までの高い学歴をもちながら失業中の者が76万8千人おり、このうち50万5千人は大卒、20万7千人は短大卒であるという。大卒で最も失業者が多かったのは、人文・芸術系、社会科学系、商業系、法律系、技術・製造系の学科の卒業生らである。

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 ここ10〜20年間、イラン社会は強まる一方の若者たちの大学入学熱に直面してきたし、こうした傾向はいまだに続いている。中等教育を終えた人の多くが、大学入学と学位取得を真剣に考えるようになっている。しかし、若者らを次々に輩出する学科の多くについて、それを必要とする労働市場は存在しない。言わば、多くの学科にとって労働市場は飽和状態にあるのである。

 こうした状況を生みだしている最大の原因の一つが、大学と労働市場の間に正確かつ論理的なつながりが欠けていることである。双方が互いに完全に分断された状態で、機能しているのである。各大学は今日、労働市場の実際の必要性に着目することなく、さまざまな学科で大学生を教育している。しかし労働市場は、人材に対する自らの実際の必要性を満たしてくれるような卒業生にのみ関心があるのである。

 大卒者の就業についてこうした状況が続き、労働市場が必要としている職業上の技能習得に関して大学が無能であること、あるいは学生にそうした習得への関心が欠けていることが、正常化が期待される大卒者の失業率を、常に他のグループよりも高い状態に保ち、平均の2倍にしている原因なのである。

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 90年〔2011年〕に行われた各個人及び住宅に関する最新の国勢調査によると、大卒以上の学歴を有している失業者は全体で76万8051人おり、そのうち短大卒は20万7310人、大卒は50万5010人、修士号および医学博士号取得者が5万2169人、博士号(Ph.D)取得者が3388人となっている。

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本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:31278 )