ロウハーニー大統領「地域は新たな戦争を受け入れる準備などできてはいない」
2013年08月29日付 Iran 紙

 ホッジャトルエスラーム・ヴァルモスレミーンのハサン・ロウハーニー博士を議長とする閣議が、昨日開かれた。

 大統領は閣議の冒頭で、地域情勢に懸念を表明した上で、「世界、そして特に中東地域の人々は、新たな戦争を受け入れる準備などできてはいない。この地域でいかなる冒険主義(アドベンチャリズム)が犯されようと、それは地域と世界の安定にとって取り返しのつかない危険な状況を惹起し、地域に過激主義とテロリズムを拡大させることにつながるだろう」と述べた。

 ロウハーニー師は力の行使をちらつかせることは、地域の安定・安全を損ない、国際的な約束事を乱すことになるとの見方を示した上で、「イラン・イスラーム共和国は化学兵器の大いなる犠牲者として、あらゆる種類の非人間的兵器を世界レベルで廃絶する運動の先頭に立ってきた。こうした兵器の使用は、いかなるものであれ、強く非難する」と強調した。

 大統領はさらに、「現在の状況や今ある情報を総合すると、某集団がプロパガンダ的・政治的騒動を引き起こすことで、シリアにおける先の化学兵器の使用等に関する真実について、世論を逸脱させようとしているように思われる。彼らは、自らの危険かつ短絡的な考えを〔世界に〕強要するために、この野蛮な行動を悪用しようとしているようだ」と続けた。

 ロウハーニー師は、公正な調査に基づいて化学兵器を使用した犯人を特定する必要があるのであり、利害関心にもとづいた短兵急な判断は控えるべきだとするイラン・イスラーム共和国の強い立場に触れた上で、「国連は現地の状況や使用された手製の武器の種類、シリア国外からタクフィール集団に化学物資が提供されている過去などに鑑みて、先の〔化学兵器の〕使用について調査し、その結果を明確な形で発表すべきである」と述べた。

 同師はさらに、「いかなるアクションも、地域のデリケートな状況、一刻も早い内戦の終結〔の必要性〕、地域における過激主義の阻止などを考慮し、国際法に基づいて行われる必要がある」と指摘した。

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本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:31303 )