ロウハーニーとオバマ両大領、ニューヨークで電話会談
2013年09月28日付 Iran 紙
2013年9月28日付イラン紙1面
2013年9月28日付イラン紙1面

 昨夜、イランのハサン・ロウハーニー大統領が母国へ帰国するためにニューヨークの空港へと向かおうとしていた最後の時間に、突如緊急電話回線が接続され、イラン・米関係に新たな事態が出来した。この電話連絡はホワイトハウスからのもので、回線の向こう側にいたのは、米政府のナンバーワンだった。観測筋によると、米大統領は開口一番、米・イラン両国の代表団によるデリケートな話し合いの中で生まれた新たな状況を歓迎する旨を表明したという。

 米大統領によるイラン大統領への前代未聞の歴史的な緊急電話連絡についてまず報じたのは、イラン国営通信(IRNA)だった。その後、大手の放送局や通信社がIRNA電として、この重要な出来事を伝えた。イラン・米両首脳による電話協議の詳細の多くについては、いまのところ入手できていない。

 IRNAの報道によると、この電話連絡で両者は様々な問題について話し合ったという。オバマ・ロウハーニー両大統領は核問題の早期解決に向けた政治的意思を強調し、その他の問題の解決に向けた環境作りや地域問題をめぐる協力についても、指摘した。

 この報道は続けて、「この電話会談で、イラン・米両国大統領はそれぞれの外相を、協力に向けた可及的速やかな環境作りの責任者に任じた」と報じている。

 オバマ大統領による今回の電話連絡はすぐさま、ニューヨーク発のニュースのトップを飾った。欧米のテレビ局のほとんどが通常の番組を中断して、このニュースを伝え、分析・解説を行った。アメリカの複数のニュースチャンネルは今回の電話連絡について、最も重要で最も予測困難な政治的出来事であると表現し、30年以上にわたる両国の疎遠な関係に終止符を打つものだとした。

 これらのメディアはまた、今回のオバマ大統領の動きは、イランとの合意に向けた米政府ならびにホワイトハウスを支配する与党・民主党の意思を示すものだとした。

 こうした中、BBCは分析報道の中で、今回のオバマ=ロウハーニー緊急連絡について、ニューヨークでのレセプションにとっての「ハッピーエンド」と表現、今回のオバマ大統領の行動によって、イラン外交団は大きな手土産をもって自国に帰ることになるだろうと報じた。

 イラン・米問題のある専門家はイラン紙とのインタビューの中で、「イラン外交団は世界における新たな状況を受け入れる方向へと、少しずつ旧敵を誘導した。5+1協議の成功を受け、オバマはイラン側に最新のグリーン・シグナルを示す以外になかったのである」と述べた。

 この専門家はさらに、「ハサン・ロウハーニーは最初のプレス・インタビューの中で、ホワイトハウスの指導者らに向けて、何よりもイラン国民の新たな選択と彼らの穏健と平和を求めるメッセージに対して、前向きに答えるべきだと述べた。オバマは今回の電話連絡によって、実際にはイラン大統領の呼びかけに前向きな回答をしたのである」と指摘している。

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本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:31554 )