マカーレム=シーラーズィー「人権について西洋諸国と合意に達することなど不可能」
2013年12月25日付 Jam-e Jam 紙

 シーア派の宗教的最高権威の一人であるマカーレム=シーラーズィー師は、人権擁護を求める抑圧諸国の主張は、自らに異を唱える者たちを非難するための一つの手段として現れたものに過ぎないと指摘した上で、「たとえ核エネルギー問題をめぐって彼らと合意に達することができるとしても、人権問題で同じような合意はありえない」と述べた。

 アーヤトッラー・ナーセル・マカーレム=シーラーズィーは水曜日の朝、ホッジャトルエスラーム・モハンマド・ジャヴァード・アラスターへの「イスラーム人権委員会賞」授与のために、自身のオフィスで同師と面会し、「イスラーム人権委員会の活動が継続し、根付いたことは大変喜ばしい。重要なのは、世界の抑圧諸国や圧制者らが手にしている道具のひとつとして、人権問題があるということだ」と述べた。

 同師はさらに、「この問題は、彼ら〔=抑圧諸国・西洋諸国〕が自身の多くの目論見を進展させる際の口実となっている。実際、〔人権問題は〕彼らに異を唱える者たちを非難するための手段となっており、それは尽きることがない。明日になれば、彼らは別の口実によって、これ〔=人権問題〕を利用することができるのだ」と続けた。

 イスラーム神学校の卓越した教師である同師はさらに、次のように付け加えた。

注意しなければならないのは、私たちが彼らとどのように交渉を行うのか、ということだ。核エネルギー問題が解決すれば、彼らは次に自分たちが主張するところの人権問題を取り上げて、交渉に入ろうとするかもしれない。たとえ核エネルギー問題で彼らと合意することができるとしても、この種の問題〔=人権問題〕では不可能だ。
 
 同師はまた、次のように強調した

彼らは人権に関する自分たちの定義を、私たちに押し付けることに固執している。もし〔彼らが問題にしているのが〕表現の自由であるならば、私たちにとっても自らの意見を述べることは自由であり、私たちに押しつけられるべきものは何もない。そもそも疑問なのは、なぜ私たちに自らの定義を押し付ける必要が彼らにはあり、わたしたちには同じことができないのか、ということだ。

 アーヤトッラー・マカーレム=シーラーズィーは、彼らは根本的に私たちの信仰に対して困難を抱えていると述べた上で、「もしイスラーム的人権に関して何らかの活動を行うのであれば、それは単なる受け身のものであってはならず、アグレッシブなやり方も必要である。私たちはその輸出を目指すべきなのだ。もし私たちが、守るだけでなく、攻めの姿勢で行動することができたならば、今日〔世界の〕複数の社会にその影響を見ることができたはずだ」と語った。

 同師はさらに、「イスラームの強力でアグレッシブ、かつすぐれて合理的・論理的な立場から行動に打って出る必要がある。おかげさまで、イスラーム、そしてシーアの文化は、堅固で合理的な文化である。それゆえ、神を信じ、預言者一族が私たちに教えた方法をよりどころとして、行動に打って出るべきなのである」と語った。

 聖コーランの注釈者である同師はさらに、「この分野で様々な取り組みをしながらも、さほどの進展を見せることができずにいるイスラームの国が一部にある。彼らの一部は、西洋の文化からのみ、養分を得なければならないなどと考えている。私たちはこうした国々を、人権分野で味方として引き寄せるべきだ」と続けた。

 同師はその上で、「我々はこれらの国々を支援すべきである。もし彼らを仲間にすることができれば、単独でいるときよりもよい活動が可能となるだろう」と付け加えた。

〔‥‥〕

 なお、この面会の最後に、アーヤトッラー・マカーレム=シーラーズィーからイスラーム人権委員会賞がホッジャトルエスラーム・アラスターに授与された。

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( 翻訳者:8412103 )
( 記事ID:32559 )