ハーメネイー最高指導者「私も文化問題に懸念を抱いている」(1)
2014年03月08日付 Jam-e Jam 紙

 イスラーム革命最高指導者のアーヤトッラー・ハーメネイー閣下は木曜日の午前、最高指導者専門家会議の議長ならびに議員らと面会し、そこで行った重要演説の中で、世界を取り巻く現実の一部を数え上げた上で、現下の複雑かつ敏感な状況下において「イスラーム体制の責任者たちが果たすべき主要な責務」について説明した。

 同師はその上で、さまざまなレベルの体制の責任者たちが果たすべき重大な責務として、「現実主義的になって、〔イランが抱える〕一部の弱点とともに、多くのポジティブな点を見ること」、「信仰心篤き革命的若者たちを誇りに思うこと」、「国内にある無限の可能性を活用すること」、「敵の敵意に注意を怠らないこと」、「抑圧戦線との間に明確ではっきりとした境界線を引くこと」、「敵を恐れぬこと」、「人民を信じ、ジハード運動を強化すること」、「国民の団結を維持・強化すること」、「宗教的・革命的文化に注意を向けること」、そして「〔新たな〕言説を作り出すこと」を挙げた。

 最高指導者事務所の広報サイトが伝えたところによると、イスラーム革命最高指導者は演説の冒頭、体制を支えるさまざまな制度の中でも、専門家会議が占めている特別な位置について触れ、「イラン国民を指導するウラマーやムジュタヒド〔※イスラーム法を解釈する権限をもった人物〕らが専門家会議の会合で一堂に会することは、常に重要な意味合いをもっている。しかし一部の状況・時代では、その重要性は倍加する。そして現在こそ、そうした時代なのである」と述べた。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は世界、そして地域が今日直面する複雑かつ重要な状況について言及し、この時代に必要な使命として、「自らが果たすべき義務を再評価すること」を挙げて、「こうした状況では、専門家会議をはじめ、体制を支えるすべての機関は積極的かつ本源的な視線を、世界の現実に向ける必要がある」と付け加えた。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はその上で、今日の世界の現実の一部について説明し、次のように指摘した。

今日の現実としては、世界、そして〔イラン周辺〕地域で根源的な変化が始まっていること、そしてそうした変化の予兆が、特に北アフリカやアジア、そしてヨーロッパなどのさまざまな地域で現れてつつあることを指摘することができよう。こうした予兆をしっかりと観察し、正確に検討することが必要だ。

 イスラーム革命最高指導者が指摘した第二の現実は、抑圧戦線、すなわち世界を支配する旧勢力の、見た目の安定が崩れつつあること、であった。同師は「こうした見た目の安定が崩れ去りつつある前兆の一つとして、欧米の経済危機が挙げられる。彼らの経済が破綻しつつあることを示す前兆が、今露わになりつつあるのだ」と述べた。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は抑圧戦線の見た目の安定が崩れ去りつつあることを示す予兆の一つとして、さらに倫理的領域における破綻、人間性の蹂躙、ヒューマニズム(人間中心主義)に基づく西洋文明の本質〔的諸問題〕の表面化などを挙げ、次のように指摘した。

殺人、略奪、暴力、腐敗、同性愛者同士の結婚の普及といった変態的欲望〔の蔓延〕、〔イラン周辺〕地域における暴力的で野蛮なテロリズムへの明確な支持、宗教的に神聖視されてきたものや偉人へのあからさまな侮辱、これらは西洋文明が倫理的な面で破綻していることを示す、客観的な例である。

 同師は西洋文明の科学的基礎や本質が次々と崩れ去ろうとしていることや、アメリカやその他の列強への民衆の嫌悪の念〔が高まりつつあること〕、彼らの国際的な信用が失われつつあることなども、今日の世界のもう一つの趨勢・現実だとした上で、さらに「〔世界の〕諸国民の目覚め、特にイスラームの目覚めとイスラーム的抵抗の高まりも、今日の世界が経験しているもう一つの現実である」と付け加えた。

つづく




本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:33233 )