ザンギャネ石油相、公式見解示す:「対ロシア制裁は不可能、石油価格高騰を招く」
2014年03月18日付 Jam-e Jam 紙


【ジャーメジャム・オンライン】イランの石油相は、アメリカ合衆国による対ロシア石油制裁に対し、公式に見解を表明してこう発言した。

対ロシア石油制裁は不可能であり、黒い金[石油]の価格高騰を招くことになる。

クリミア半島のウクライナ政府からの分離独立を巡る米ソの確執が高まるにつれて、米国の一部の上院議員たちが、対ロシア石油制裁を求めている。
ジョン・マケイン米国共和党上院議員は、ホワイト・ハウスはロシアの石油輸出をターゲットにすべきだとし、「ロシアは豊富なガス埋蔵量を有し、自国経済の維持は石油とガスのみに依存している。したがって、経済制裁は極めて重要性をもつ。ウクライナに対しては、彼らが少なくとも自国を防衛できるよう、我々は軍事援助を行わねばならない」と述べた。

 現在ロシアは、日量1,000万バレルを上回る原油を生産しており、サウジ・アラビアを抜いて、世界最大の産油国になっている。米ソの確執が最高潮に達し、対ロシア石油制裁が検討される中で、イラン・イスラーム共和国石油相は、対ロシア石油制裁に対し公式に見解表明を行った。

 ビージャン・ザンギャーネ石油相は本日、対ロシア石油制裁は不可能であると強調し、こう述べた。

仮にそのような事態が勃発すれば、市場はロシア産石油を欠いた状態に耐え切れないであろう。

 《深慮と希望の政府》のこの閣僚メンバーは、米国がロシアの大きな生産シェアを市場から締出すことができるなどとはとても考えられないと表明し、更に続けて、こう発言した。

万一ロシア問題[石油輸出への制裁]が深刻な事態になれば、石油価格は高騰するだろう。

 先週木曜日[13日]に、世界の二大ガス産出国であるイラン・イスラーム共和国とロシアの石油・エネルギー相は、モスクワにおいて、今年連続して二回目となる会談を行い、初めて合意に達し、新たな経済・石油協定書への署名のため暫定合意に達した。 イラン・ロシア経済合同委員会の委員長としてザンギャネ相は、合意達成と協定に関わる意見の対立の終結伝えた。

 イランとロシアはこの一年近くにわたって、協定書の署名、そして、最終的には原油と物品とのバーター取引協定[の締結]を目指して会談を重ねてきた。この6か月の間には、イランとロシアの石油・エネルギー相が、二度にわたりモスクワでこの問題に関して協議、意見交換を行ってきた。

 イラン石油相の説明によれば、テヘランとモスクワとの間の経済・石油に関わる一大協定署名に向け、双方のいくつかの意見相違は完全に解消されたようである。
 現時点では、ロシアのアレクセイ・ウリュカエフ経済相が、石油・物品バーター取引の暫定協定署名のために早期にテヘラン入りすることになっているが、この訪問は現在までのところ、実現していない。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:3413001 )
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