アーヤトッラー・ジャンナティー「イスラーム指導省はイスラーム的に思考せよ」
2014年05月03日付 Jam-e Jam 紙


 テヘラン臨時金曜礼拝導師は、「もし〔政府の〕責任者が間違いを犯しているのであれば、友好的かつ思いやりを持って彼らに注意を与えてやる必要がある。彼らには悪意がないので、基本的に注意を受け入れるであろう。そして、もし彼らが〔体制の維持・発展に〕奉仕しているのなら、彼らに感謝するべきだ」と強調した。

 イラン国営通信の報道によると、アーヤトッラー・ジャンナティーはテヘラン金曜礼拝の説教第二部で、文化は社会にとって常に問題であるとした上で、「〔国の〕各機関は学術機関であれ、大学や〔その他の〕教育機関、革命防衛隊、イスラーム宣伝庁であれ、それぞれ文化という領域で何らかの活動を行っている」と述べた。

 同師はその上で、「こうした機関の一つが、文化イスラーム指導省である。ここで《イスラーム指導》ということばに注意を払わねばならない。つまり、イスラーム的に考え、イスラーム的に決定を下し、イスラーム的に問題に対処しなければならない、ということだ」と付け加えた。

※訳注:文化イスラーム指導省は書籍や新聞、雑誌、音楽、演劇、映画など、「文化的」な作品の制作・発行・頒布・上映等で許認可を与える権限を持つ省庁。なお、同省の大臣はアーヤトッラー・アフマド・ジャンナティーの息子のアリー・ジャンナティー氏。ただしアリー・ジャンナティー氏は保守強硬派の父よりも、開放路線を指向するラフサンジャーニー師に考え方が近いとされる。

 ジャンナティー師は、書籍の発行許可を与える際には注意が必要であると強調し、次のように述べた。

イスラーム指導省の許可によって、イスラーム色を欠いたり、あまつさえ反イスラーム的な書籍が発行されるようなことがあってはならない。もし著者が信仰心のない、〔宗教的な原則に対して〕注意を払わないような人、不真面目な人であるのなら、その人の作品が発行されるようなことがあってはならない。そのような著者が人々の間に足場を築くようなことになれば、その作品が人々に読まれるようになってしまうだろうし、少しずつ自らの〔悪しき〕考え方を作品の中に紛れ込ませることになるだろう。

 護憲評議会の書記を務める同師は、文化的な事象を監視することは「困難なこと」だとしつつ、「文化イスラーム指導省には、文化的な作品をしっかりと監視する義務がある」と強調した。

 同師はさらに、

低俗な文化的作品の中に、西洋文化や、さらには自らを卑下するような考え方、自虐的な感覚がはびこるようなことがあってはならない。他者〔=西洋〕を過大に評価して、崇めてしまったり、自分を過小評価してしまうようなことがあってはならないのだ。故に、文化的な作品がこうした精神を人間の中に生みだしてしまうようなことがあってはならないのである。

 同師は、花の成長を阻害する、繁茂する雑草を見つけ出すことが必要だと指摘し、「この仕事は非常に困難である。〔猥雑な文化的作品を排除することが〕できる者は全員、このことで文化行政の責任者たちを手助けしてやらねばならない」と述べつつ、同時に「もちろん、この間イスラーム指導省ではよい仕事が行われており、その影響はのちに明らかになるだろう」と付け加えた。

 護憲評議会書記は、昨日の説教の別の箇所で、司法権が選挙後の事件〔※2009年大統領選後の抗議運動のこと〕の「根」に〔毅然と〕対応してきたことに感謝の意を表した上で、「司法権は、反乱と反乱分子に対して断固たる対応を取っている。しかし反乱分子の一部、さらには反乱の首謀者の一部でさえ、自由に道を歩き、好きな仕事をしている〔※〕」と指摘した。

※訳注:ロウハーニー政権発足に伴って、2009年大統領選後の抗議運動に関わった者たちが大学等のポストに復職しつつあることを指している。

 ジャンナティー師は、彼らは失業したままの状態に置かれてはいないと指摘し、「まず第一に司法権がしなければならないのは、彼らがどこに行こうとしているのか、何を〔社会に〕注入しようとしているのか、いかなるネットワークを作り出そうとしているのかをはっきりさせるために、彼らをモニタリングすることである」と付け加え、さらに「反乱の根を断ち切るために、全員が〔司法権の〕責任者たちを支援しなければならない」と強調した。

〔‥‥〕



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:8412101 )
( 記事ID:33872 )