闇市場で追い詰められる野生動物(上)
2014年05月25日付 Jam-e Jam 紙
フサエリショウノガン
フサエリショウノガン

イランに生息する生物種の価値がきちんと認められていないことが、野生動物売買の闇市場が活気づく原因に

【社会部:メフディー・アーイーニー】カイザーツエイモリ、フサエリショウノガン、オオタカ、ハヤブサ、セーカーハヤブサなど、我が国に生息する一部の生物種の売買が近年盛り上がりを見せており、ペルシア湾岸諸国のアラブ人豪族たちが我が国の猛禽類に対して、2億トマーン〔※約700万円〕もの金額を支払い、また密売業者も環境庁職員らに1億トマーンもの賄賂を持ちかけるまでになっている。そればかりではない。〔ノウルーズの〕祝日の夜に売買されることの多いカイザーツエイモリは、東アジアに愛好家が多く、彼らはそのためなら1000ドルを出すことも厭わない。重要なのは、我が国ではこれまで、これらの動物種の真価が認められておらず、そのために時の経過とともに、それらの大半が〔密売業者の〕犠牲となって国益が危機にさらされていることである。

 先週金曜日の午後、テヘラン州環境保護部隊の隊員らは、300万トマーン〔※約10万円〕で2匹のワニを売ろうとしていた密売業者を逮捕した。テヘラン州環境保護部隊司令官のエスマーイール・ミーラーンザーデ氏はこのことについて、本紙に次のように述べている。

この人物は、もし事前の注文があれば、ライオンやヒョウといった、その他の動物を用意することもできる、と〔顧客に対して〕豪語していた。注目すべきは、首都や国内の他の大都市で野生動物の売買が行われたのは今回が最初ではないし、最後でもないだろうということだ。今やネット上には、どんな種類の野生動物も納品可能だと詠うウェブサイトが複数存在するまでになっている。こうした中、イラン環境庁は文化イスラーム指導省とサイバー警察に対し、これらのサイトの取り締まりを求める書簡を出しているが、これらのサイトは依然存在し、営業を続けている。

定価は存在せず

 様々な種類の野生動物の売買は闇市場で行われるものであるため、それらの野生動物について、はっきりとした価格を示すことは不可能だ。実際、売り手も買い手も、〔売買の対象となる〕動物の種類に応じて、お互いに価格の折り合いをつけているのだ。イラン環境庁行政・狩猟・漁労課のレザー・ファラジー氏も本紙とのインタビューで、「野生種の違法な取り引きは、組織的な国際犯罪という形で行われている。これは密売業者らにとって、麻薬の密売や人身売買よりも危険が少ないため、世界で三番目に多い違法取り引きとなっている」と述べている。

つづく


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( 翻訳者:8410045 )
( 記事ID:34145 )