「ジュネーブ合意前の状況に戻ることはないだろう」:大統領、当選1周年記念日で(4)
2014年06月15日付 Iran 紙


場所の如何にかかわらず、テロリズムを懸念している

 地域におけるテロ問題やイラクでのダーイシュ(イラク・シャーム・イスラーム国)の攻勢、そしてこの集団への対応でイランとアメリカが協力する可能性について、一部の海外の新聞記者からロウハーニー大統領に質問があった。

 ロウハーニー大統領はこれに対し、テロリズムが民主主義を容認していないことがイラク危機の重要な問題であるとした上で、〔‥‥〕「イラクでは最近になって選挙が終わったばかりだが、選挙での敗北をテロリズムによって埋め合わせることはできない」と述べた。

 大統領はさらに、域内で起きているものであれ、あるいは世界のその他の地域で起きているものであれ、テロリズムには懸念していると述べた上で、〔‥‥〕テロへの対抗は不可避であるとの見方を示し、

もしイラク政府がわれわれに支援を求めてきたならば、われわれとしてもそれについて検討することになるだろう。もちろん、これまでのところ、イラク側からわれわれに、これといった支援の要請はない。しかしわれわれは、国際法の枠内で支援を行う用意がある。

 と言明した。

 同師はダーイシュへの対応でアメリカと協力する可能性について、

私はアメリカ側のアクションや計画については何も知らないが、しかし現在われわれにとって重要なのは、イラク国民ならびに政府が何を望んでいるかである。もし彼らがわれわれに支援を求めてきたならば、われわれも彼らを支援することになろう。

 と付け加えた。

 ロウハーニー師はイラクのシーア派信徒のマルジャエ・タグリード(宗教最高権威)であるアーヤトッラー・スィースターニーが、人々の武装化を求めるファトワーを出したことについて触れ、イラク国民は自身でテロリズムを撃退することができるだろうと、イラン国民に請け合った。

テロ支援は誰の利益にもならない

 イランがダーイシュと干戈を交える可能性があるのかどうか、またこのテロ組織を資金的に支援している国々、特にサウジアラビアやカタールに対していかなる対応を取るつもりなのかについても、記者から大統領に質問があった。

 ロウハーニー大統領はこれに関し、テロ組織への支援は誰の利益にもならないと強調した上で、「現在テロ組織を支援している国も、将来当の組織から災いがもたらされるだろう」と指摘した。

 大統領はさらに、テロ組織はあらゆる国にとって頭痛の種となるだろうと力説した上で、「テロ組織が我が国の国境地帯に接近してきたときには、必ずやそれに対応することになるだろう。テロ組織がわれわれにとって脅威となると感じられた場合には、あらゆる必要な手段を用いて対応する。領土の一体性と国家の安全を守る義務があるからだ」と強調した。〔‥‥〕

ダーイシュ対策では、アメリカと協力することも可能

 ダーイシュ対策でアメリカから協力要請がイランにあった場合、協力に応じるかとの質問に対し、大統領は次のように答えた。

ダーイシュに対抗するためには、すべての国が助け合うことが必要だ。現在、イラク政府および国民以外に、ダーイシュと戦闘行為に入っている者はいない。アメリカもこの問題では、いまだ行動を起こしてはいない。アメリカがダーイシュに対して何らかのアクションを起こした場合には、同国との協力について考えることは可能だ。

 大統領は一部の外国人テロリストが情報省によって逮捕されたことについて、「アル・カーイダに関連した集団の多くは、移動の最中に、イランの国境地帯で逮捕されることがある。我が国の情報省や軍は、この問題に注意を集中させている」と指摘した。

インフレの上昇は抑えている

 大統領はまた、「物価高騰に人々は苦しんでいるが、政府の責任者たちはインフレ率が低下していることについて述べている」との記者の指摘に対し、次のように回答した。

国民は現在、インフレの低下を感じることができるようになっている。というのも、われわれはインフレの上昇傾向を抑えてきたからだ。昨年、2日間でモノの値段が変わったのに対し、今や値段の変化は1ヵ月単位になっている。

 ロウハーニー大統領は、インフレという暴れ馬の手綱をわれわれが引いたお陰で、今やこの暴れ馬も静かに歩くようになったと指摘した上で、

現在のインフレ率は受け入れ可能なものではない。インフレ率は一ケタ台にしなければならない。われわれの課題は、インフレを伴わない形で景気を上昇させることである。われわれは中央銀行のポケットに、自分の手を忍ばせようとは思っていない。かつて、「友愛住宅」問題で、〔アフマディーネジャード政権は〕中央銀行のポケットに手を入れ、マネタリーベースを40%も上昇させてしまった。インフレのすさまじい昂進は、〔アフマディーネジャード政権が推し進めた住宅建設計画である〕友愛住宅との関連で起きたものなのだ。

 と述べた。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:野幌森林公園の自然を守る会 )
( 記事ID:34370 )