イランの幹線道路で交通死亡事故が警戒レベルにまで増加(下)
2014年06月09日付 Iran 紙


問題の原因は?

 世界の統計によれば、年間、交通事故の1.45%がイランで起きているという。しかしながら、人口ならびに自動車台数を考慮すると、イランはその他の類似の国々と比べて、2~5倍も交通死亡者が多いのである。

 交通事故に関する諸々の報道・報告から分かるのは、居眠りや未熟な運転、スピードの出し過ぎ、および人為的ミスがこうした痛ましい事故の発生につながっているということだ。しかし、より広い視野で見れば、一部の車の不良や、さらには道路の不備が、交通事故や横転事故に影響なしとは言えないと指摘することができよう。法律の見直しや文化的、社会的、産業的、さらには経済的な施策によって、年間数千人もの運転手・同乗者の命を奪っているこの人類の悲劇を防ぐことができるだろう。

 スマート制御システム、都市内および都市間の公共交通機関の刷新、自動車の〔国際〕標準化、世界標準となっているエアバッグやABS(アンチロック・ブレーキ・システム)の装備ならびに車体強化、そして道路の〔国際〕標準化などによって、交通事故を減らし、数千人もの罪なき人々の命を脅かす状況を変えることが可能となろう。

自動車事故で三つ子と母親が死亡

【ショック班】ある母親が三つ子と共に、自動車の横転事故によって無残な死へと飲み込まれた。

 先週水曜日[6月4日]の4時20分、〔テヘランから東部ホラーサーン・ラザヴィー州へ伸びる〕ゴナーバード街道10㎞地点で、5人を乗せたL90車〔※ルノー社の「ダチア・ロガン」のことで、イランでは「ルノー・トンダル90」として製造〕が横転したとの通報が、警察ならびに交通救急隊に寄せられた。

 数分後、現場に駆け付けた警察官らと医療班は、横転した自動車と血まみれになった運転手ならびに同乗者らを発見した。それは悲惨な光景であった。三つ子だった3人の子供とその母親は、激しい外傷と出血により、瀕死の状態にあった。母親と1歳半の息子2人と娘1人の救命に向けた医療班の努力が実ることはなかった。診断によって分かったのは、彼女らは事故直後に命を落としていたということだった。そして父親だけが生き残った。事故の激しさから、運転手のセイイェド・ハサン・アサドザーデはゴナーバード市内のベイドフト病院に搬送され、特別看護室で外科手術を受けた。

 ホラーサーン・ラザヴィー州交通警察長官を務めるモハンマド・サファーイー大佐は、本紙「ショック」班との独占インタヴューで、次のように語った。

〔‥‥〕休暇シーズン中、とりわけ旅行が極めて多くなる夏が近づくと、残念ながら、私たちは痛ましい交通事故の数々を目にします。それらの多くは、居眠り運転や車線からはみ出し、横転によるものなのです。


 同大佐は、さらに以下のように続けた。

ドライバーの皆さんに呼び掛けたいのは、旅行の前には絶対に充分な休息をとってもらいたい、ということです。というのも、ドライバーの体は諸々の変化や寝不足に慣れていないからです。遠出の前には然るべき休息をとって、運転時に体調を崩したり、眠気に襲われたりしないようにすることが肝要です。


〔‥‥〕

 大佐はさらに、「ドライバーの皆さんにもう一点注意してほしいのは、旅行中、助手席に座る人にも起きてもらうようにするべきだ、といことです。助手席の人が眠ってしまうと、心理的な面でドライバー自身も居眠りに誘われてしまうからです」と付け加えた

 サファーイー大佐は注意喚起の続きとして、「ドライバーの皆さんは油っこい食事や重たい食事を控えるべきです。なぜなら、この類の食事をとることも居眠りの原因となるからです。軽めの食事と紅茶などの温かい飲み物で済ませると良いでしょう」と指摘した。

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( 翻訳者:赤城颪雷来 )
( 記事ID:34409 )