ベシクタシュの老舗、パンド・カイマク閉店の危機
2014年08月08日付 Hurriyet 紙


ベシクタシュを代表する店の一つであるパンド・カイマクに閉店の危機…92歳のパンデリ・シェスタコフさんが営むパンド・カイマクが、店舗所有者により閉店されようとしている。119年間家族で代々カイマク業を営んできた愛称パンドのシェスタコフさんは、「店の状況を知った人々が私たちに力を貸してくれると思う」と話した。

1895年から現在までカイマク業を営むパンドさんの店では、カイマク(クロテッド・クリーム)だけが売られているわけではない。客はここで朝食を食べることもできる。ベシクタシュで生まれたパンドさんは、「人々は私たちのお店に来るとまるで自分の家にいるかのように感じるようです。私たちがこの店の窓にポリ塩化ビニル加工をしようとした時は、ノスタルジックな雰囲気が壊れるといってお客さんは怒りました。お客さんが怒った理由はというと、私たちもお店もお客さんがオーナーだからなのでしょう」と話した。その一方で最近施行された新たな法律により、10年間の賃貸期間を満了した借り主は正当な理由を示すことができなければ店から追い出されてしまう可能性がある。シェスタコフさんはこの状況に悪い影響を受けていると話した。

■老舗の店舗は残らなかった

パンドさんは一族代々の職業であるカイマク業を、他の家族よりも遅く始めた。かつては旋盤工をしていたと話すパンドさんは、以下のように話した。「かつては旋盤工をしていました。旋盤工をした後、自分の店に戻って仕事を学び始めました。古い店はもはや残っていません。私たちは老舗の文化を守り続けています。シュレイマン・セバやハック・イェテン(ババ・ハック)、サブリ・ウルケルなどみんな…ここから去っていった店は語り尽くせません。ベシクタシュのサッカーチームはうちの店で朝食をとっていました。しかも今週の日曜日には、ベシクタシュ・サッカークラブが市場で最年長の人々にベシクタシュのユニフォームを着てもらってカメラの前に出ることになっています。その中の一人が私です。」

立退き証明書には、7月1日には店から立ち退くようにと記載されている。パンドさんは自身に与えられた猶予の起源は8月15日だと話した。

■このまま立ち往生したくはない

パンドさんはこの店の跡地にはレストランが建設される予定だと話し、次のように続けた。「この店の所有者も、彼にとっては正当な行いです。この土地は彼のものですから。しかし、私たちもこのように立ち往生したくはありません。ここから出ても、他の場所で同じように繁盛できるわけではありません。『パンド・カイマク』は伝統のある店です。そして今この店は手助けを必要としています。」店の所有者は丁寧な態度で立ち退きを要求していると話すパンドさんは、以下のように話した。「最後に私たちに立ち退きの書類を持ってきました。私たちもその書類に署名しました。私たちはここから出れば、かつてのように繁盛させることはできないでしょう。パンド・カイマクのこうした状況を知った人々が、私たちの力になってくれると考えていますし、そう願っています。しかし一方で力になってくれるわけではなく、私たちの仕事でお金儲けをしようと考える人々もやってきます。そういった人々は来ればいいでしょう。この店の知名度を利用して仕事をするため、私のもとにやってくるのです。この店の名前も登録されようとしています。以前にも試してみましたが、そのときは詐欺でした。」パンドさんが店を立ち退くには、8月15日まで猶予がある。

■再び集まるだろう

店の状況を知った弁護士のベルク・チェキティルさんは、店の所有者がこの場所に食べ物に関する店を開きたいと考えていると話した。チェキティル弁護士は、「パンド・カイマク」として知られる場所が商業的な土地であるだけでなく、都市文化の特徴も備えていることを強調した。チェキティル弁護士は両者がまた一堂に会する方向で調整していると話した。Curlinarybackstreet’s.comにコメントを出した店の所有者であるエムレ・マルハンさんは、「彼らに立ち退きのためにトラックを送りつけようとしているわけではありません。これは私たち家族のやり方ではないのです」と話した。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:35012 )