外務次官、サウジを訪問 —— 目的をめぐって憶測
2014年08月26日付 Jam-e Jam 紙


 外務省のホセイン・アミール・アブドッラーヒヤーン次官(アラブ・アフリカ諸国担当)は事前の予告なく、サウジアラビアに向けて出立した。

 外務省の高官である同氏は昨日、サウジアラビア政府当局者と会談するために、リヤドに向けて出発した。この訪問は、モハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外相のイラク訪問中に行われたものである。

 イラン国営通信が伝えたところによると、アミール・アブドッラーヒヤーン次官はこの訪問の中で、サウジアラビアのサウード・アル=ファイサル外相と会談し、両国の懸案事項について話し合う予定とのことである。

 ニュースサイト「アスレ・イラン」は今回の訪問のあり得べき目的について、次のように伝えている。「事前の予告なしに行われた今回の外務省次官によるサウジ訪問は、イスラエル製無人航空機がナタンズ上空で撃墜されたことと関係していると言われている。というのも、我が国の当局者は、この無人航空機が域内諸国のうちの1国を通って、対イラン偵察活動を行ったものだと指摘しているからだ」。

 この報道によると、防衛関係のアナリストらは、イスラエル製無人航空機がサウジアラビア領海内の紅海に展開しているアメリカの航空母艦から、対イラン偵察のために飛来した可能性があると指摘しているという。

 イスラエル当局ないし米当局はいまだ、この無人航空機の撃墜、ならびに同機のアメリカとの関係に関して反応を示していない。それだけでなく、我が国の当局者も、今のところ正式には、この無人航空機の出発地についてコメントしていない。こうした中、アブドッラーヒヤーン次官の訪問は、この件に関する憶測を煽るものとなっている。

 また、同次官は両国関係だけでなく、ガザやシリア、イラク、レバノン、およびイエメン情勢についても意見交換を行う予定とも言われている。一部の情報筋はサウード・アル=ファイサル外相の発言として、サウジ政府はバッシャール・アサド政権の転覆を考えてはいないと指摘しており、今回の訪問はその1日後に実現したものである。

 それに先立ち、レバノンの「デイリー・スター」紙はレバノン新政権樹立を円滑に進めるために、イランとサウジアラビアが協力することで合意する可能性があると伝えていた。イランとサウジ両政府の合意によって、ダーイシュの地域への危険な浸透を防ぐことが可能となると、同紙は指摘している。

 他方、忘れてはならないのは、アミール・アブドッラーヒヤーン次官が以前、イラン人外交官のイエメンでの暗殺と、在ベイルート・イラン大使館前で起きた爆破テロ事件に関わった国として、サウジアラビアを暗に示唆し、将来同国の反イラン政策を暴露すると警告したことがあったことである。

 こうしたことから、今回のイラン外務次官とサウジ外相の協議では、さまざまな分野で真剣なやり取りが行われるものと思われる。

〔‥‥〕



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

Tweet
シェア


関連記事(国家安全保障委員会報道官「シオニスト体制の無人航空機の侵入はペルシア湾の国から」)
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:白糸台国際問題研究所 )
( 記事ID:35197 )