アンタリア映画祭金のオレンジ賞は「子羊」に
2014年10月19日付 Radikal紙


第51回アンタリア金のオレンジ映画祭で最優秀映画賞がクトゥル・アタマン監督の「子羊」に決定した。「異議あり」でオヌル・ウンル監督が監督と脚本賞を受賞したセレモニーの中で映画制作陣は「トルコ映画」を強調し、訴えかけた。デメト・エヴガルはゲズィ(の若者たち)に歓迎し拍手を受けた。

 検閲を問題とすることで始まった第51回アンタリヤ金のオレンジ映画祭は、17日夜アンタリア・エキスポで行われた受賞セレモニーで幕を閉じた。セレモニーで映画制作陣が「トルコ映画」と銘うった賞へは、「子羊」、「異議あり」、「私の母の歌」があげられた。350リラの最優秀映画賞はクトゥル・アタマン監督の「子羊」に授与された。エルズィンジャンで貧しい母親が息子の割礼式を行うため奮闘する様がユーモアある語り口で展開する「子羊」は、一夜に女優賞(ネスリン・ジャヴァザーデさん)とSİYAD (映画作家協会)最優秀映画賞を含む合計5賞を受けた。オヌル・ウンル監督がイマームの探偵物語を題材にした「異議あり」は、監督賞、脚本賞、男優(セルカン・ケスキンさん)賞と計3つの優秀賞を受けた一方で、エロル・ミンタシュ監督が町で生きるクルド人母子の物語と題材とした「私の母の歌」が、最優秀デビュー作を含む4つの賞によってこの夜のもう一方の主役となった。この夜、ユルマズ・エルドアン審査委員長が賞の授与のためにも全くステージに上がらなかったことが目についた。

■監督陣から検閲のドキュメンタリー

検閲に関する声明を映画祭に出品した9名を代表してオヌル・ウンルが読み上げた。映画祭前に起こった検閲の議論は、授賞式の夜にも話題に上がった。まず脚本賞を受けとるためにステージに上がったオヌル・ウンル監督は検閲騒ぎの後、国内出品作の9作品の映画の監督と制作陣とともに声明を読み上げた。この間生じた出来事を語るドキュメンタリーを製作すること、検閲に関する活動を行っているシヤー・バント・プラットホームの試みを支持すること、2本の学術論文を金銭的に支援するとしたオヌル・ウンル監督は、自治的な映画センターを設け、 新しい映画の法律ができるよう映画の全関係者がともに活動するよう呼びかけた。

■「トルコ映画」と銘うつ

 セレモニーでは「トルコ人映画なのか、それともトルコ映画なのか」という論争も起き、「トルコ映画」が圧倒的支援を受けることになった。映画監督審査委員会賞を授与するためにステージに上がったエルテム・ギョレチ氏は、「トルコ人」映画のことを1990年代以降「トルコ」映画と呼ぶよう抗議した。そのあと受賞のためステージに上がったエロル・ミンタシュ監督、カーン・ミュジデジ監督、オメル・ウール監督、アズィズ・チャプクルトゥさんなどの制作陣はスピーチの中で、 「トルコ映画」を強調した。オメル・ウール監督は、賞を「自由トルコ映画万歳」と言って受け取った。

■コバーニー

 多くの映画人が、「コバーニー」と書かれた黒いバンドを付けてセレモニーに参加していた。「私の母の歌」で最優秀助演男優として選ばれたアズィズ・チャプクルトゥは「一緒に、全員がともに平等で、自由に生きられるよう、コバーニーで多くの人々が自由のために戦っている。コバーニーは単なる一つの場所ではなく、一人の声とたくさんの人の声は消えない」と話した。(最優秀)男優賞をセルカン・ケスキンさんと二分した「私の母の歌」の主演男優フェイヤズ・ドゥマンさんは、 賞をシェンガル山(シンジャール山)で渇き死にいたった子供達に捧げた。最優秀デビュー映画賞を受賞したエロル・ミンタシュ監督は「国境のすぐそばで我らが兄弟は容赦ない戦火の中だ。私たちの心は彼らとともにある」と話した。

■ヴァン・ダムさんに賞

 セレモニーのサプライズゲストはベテランアクションスターのジャン=クロード・ヴァン・ダムさんだった。かの有名俳優はアンタルヤ市のメンデレス・トゥレル市長から特別賞を授与した。トゥレル市長は、またイラン人大御所映画監督のアッバス・キアロスタミ監督にも生涯功労賞を授与し、キアロスタミ監督は、 賞を「あなたがたの映画と映画祭の成功を祈っています」と言って受けた。

■デメト・エヴガルさんからゲズィに挨拶

 若い才能たちに与えられたベフリュル・ダル氏特別賞を授与するためステージに上がった女優デメト・エヴガルさんは、意義深いゲズィのメッセージを出したことでホールから拍手喝采を受けた。エヴガルさんは、「2013年3月28日以降に命を失い、私たちの人生に新たな意味をもたらしたすべての若者達、子供達よ平安を」と話した。審査員は、ベフリュル・ダル賞を「子羊」と「スィヴァス」の子役3人に授与した。


■第51回アンタリア金のオレンジ賞結果

国内コンテスト
最優秀映画賞:「子羊」(クトゥル・アタマン監督)
監督賞:オヌル・ウンル(「異議あり」)
最優秀デビュー映画賞:「私の母の歌」(エロル・ミンタシュ監督)
女優賞:ネスリン・ジャヴァザデ(「子羊」)
男優賞:セルカン・ケスキン(「異議あり」)、フェイヤズ・ドゥマン(「私の母の歌」)
脚本賞:オヌル・ウンル(「異議あり」)
助演女優賞:ヌルセル・キョセ(「子羊」)
助演俳優賞:アズィズ・チャプクルトゥ(「私の母の歌」)
審査員特別賞:「オフル先生を探して」(レヴェント・ソヤルスラン監督)、「スィヴァス」(カーン・ミュジデジ監督)
撮影監督賞:ヴェダト・オズデミル(「でもミュゼイイェン―この深い情熱」)
フィルム編集賞:ヨルゴス・マブロプサリディス(「スィヴァス」)
芸術監督賞:オスマン・オズジャン(「何故私はタルコフスキーになれないのか」)
音楽賞:バシャル・ウンデル(「私の母の歌」)
アブニ・トルナイ博士特別賞:レヴェント・ソヤルスラン(「オフル先生を探して(O.H.A.)」)
ベフリュル・ダル特別賞:ドアン・イズジ(「スィヴァス」)、スラ・ララ・ジャントゥルクとメルト・タシュタン(「子羊」)
SİYAD賞:「子羊」(クトゥル・アタマン監督)
観客賞:「いいひと」(アイハン・ソンユレキ監督)
映画監督最優秀監督賞:オメル・ウール(「鼓動する心臓」)
最優秀短編映画賞:「1杯のトルココーヒー」

国際コンテスト
最優秀映画賞:「テスト」(アレクサンドル・コット監督)
SİYAD賞:「裁判所」(チャイタニャ・タムハネ監督)
観客賞:「白い神」(コルネール・ムンドルツォ監督)

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(翻訳者:伊藤梓子)
(記事ID:35607)