ハーメネイー最高指導者「シーア/スンナが互いに神聖視するものへの侮辱は紛争の元」(下)
2014年10月14日付 Mardomsalari 紙

 革命最高指導者はこうした観点から、イスラームの各宗派、特にシーア派とスンナ派の間に対立を惹起させようとする抑圧者たちの基本的政策について検討を行い、次のように指摘した。「ムスリム間で対立が生じれば、当然、彼らの努力や力、意志は内部の諍いに使用されることになり、自らの本来の巨大なる敵への注意がおろそかになる。これこそ、植民地主義や抑圧諸国が目論んでいる狙いに他ならないのだ」。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、「イスラーム共和国が示す、人を導く魅力的な思想」に対抗することが、抑圧諸国がムスリム間に対立を惹起しようと多大な投資を行っている真の理由なのだとした上で、「アメリカ、シオニズム、そして《分裂を煽る老練なエキスパート、すなわち邪悪なイギリス》は革命後、対立を煽り、シーア派とスンナ派の注意を本来の敵から逸らさせるために、多大な努力を傾けてきた」と指摘した。

 革命最高指導者は、イラクやシリア、その他一部の国々におけるタクフィール派の出現はムスリム間に対立を惹起させようとする抑圧者たちの企ての結果に他ならないとした上で、「彼らは分裂を煽り、イスラーム共和国と対立させるために、アル・カーイダとダーイシュ(イスラーム国)を創り出したが、現在彼ら自身、足元をすくわれている状況だ」と付け加えた。

 同師は中東地域で現在進行中の諸々の出来事について触れ、

これらの出来事を正確に見定め、分析した結果分かったのは、《ダーイシュとの対決》などと偽って呼んでいる試みにおいて、アメリカとその同盟国が目論んでいるのは、この潮流の根絶ではなく、むしろムスリム間の分裂を煽り、彼らの間に敵意を生みだすことだ、ということである。

 と述べた。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はさらに、「イスラームを信仰し、コーランの主権を受け入れる者は、シーア派かスンナ派かを問わず、誰であれ、アメリカ=シオニズムの政策こそ、イスラームとムスリムの真の敵なのだということを承知しておく必要がある」と強調した。

 革命最高指導者は、他の宗派の感情を煽るような行為を自重するよう注意を払うことは全ムスリムの義務であると指摘し、「シーア派とスンナ派は、互いが神聖視するものを侮辱したりするような言動はセンシティブな状況を創り出し、紛争を煽る原因となるということ、こうした言動は、全ムスリム共通の敵を利するだけだということを、肝に銘じておくべきだ」と付け加えた。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は演説の最後に、過去35年間にわたる世界の暴君どもの陰謀はことごとく失敗に終わっていると指摘した上で、「この国民の敵どもは、神の恩寵によって、今回も敗北を喫するだろう。そしてイスラーム的イランに住むすべてのムスリムはこれからも、高い意識と聡明さをもって、自らの義務を果たしていくだろう」と強調した。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:YSHMRRYTR )
( 記事ID:35637 )