イスラエル、イラン最高指導者へのオバマ米大統領親書に反発(2)
2014年11月08日付 Mardomsalari 紙

 この報道とその影響は、早くもForeign Policy(FP)誌の注目するところとなった。デイヴィッド・フランシス氏とヨチ・ドリーゼン(Yochi Dreazen)氏はこの件に関して、イラクおよびシリアでアメリカの攻撃対象となっている、イスラーム国をはじめとする〔武装〕集団へのオバマ政権の戦闘は拡大の一途を辿っており、アメリカを複雑な状況に追い込んでいると指摘する。

 それによると、オバマ氏はイラク政府の軍事的強化のためにロシアと歩調を合わせているが、その一方でシリア政府とは、イスラーム国という名の共通の標的を有している。米国はイスラーム国を上空から攻撃し、シリア政府は同組織と地上戦を繰り広げている。

 しかし、ホワイトハウスからイスラーム共和国の最高指導者に宛てて秘密の親書が送られたという報道が示しているのは、イランの助けなしにはイスラーム国との戦闘で勝利を得ることはできないという事実である。オバマ政権が当局の公式の表明とは異なることを密かに行っているのも、まさにこの事実のためなのである。

 ウォールストリート・ジャーナル紙がこのような親書の存在を報じたのは木曜日が初めてであったが、その後親書の内容を知るある情報筋が、そうした親書の存在を確認している。

 この情報筋はFPに対して、この書簡の中で、バラク・オバマ氏はイランの最高指導者に向けて、イスラーム国の拡大はイランと米国双方に共通の脅威であり、両国は共通の戦いに巻き込まれていると書き記していると証言している。

 この親書は勿論、両国が直接的に軍事活動で協調することを意味するものではない。というのも、以前合衆国はこうしたことを否定したことがあるからである。しかし、親書の内容を知る情報筋は、現在このような〔イランとの軍事的協力も必要ではないかといった〕認識も強まってきていると指摘している。

 この親書が公に知れ渡ったことで、当然のようにホワイトハウスに対する政治的な風当たりも強くなるだろう。現在、アメリカの2大政党のいずれに所属する議員も、11月24日までに極めて重要な核合意を手にするために、米政府が核交渉での大幅な譲歩を考えているのではないかとの懸念を表明している。

つづく




本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:STFM )
( 記事ID:35845 )