「これで墓碑が読めます」高校オスマン語授業の実践事例
2014年12月12日付 Hurriyet 紙


イスタンブルでミュムタズ・トゥルハン博士社会科学高等学校の第10学年のオスマン・トルコ語の授業を訪問した。生徒らは講義のほかに、オスマン・トルコ語の記された墓地、霊廟、モスク、図書館などを訪れている。

第19次国家教育評議会で、アナドル・イマームハティプ高校でオスマン・トルコ語必修化に関する奨励決議の後、議論は続いている。レジェプ・ タイイプ・エルドアン大統領が「望まずとも学ぶのだ」と述べた「オスマン・トルコ語」は、社会科学高校においてのみ必修授業となっている。他の高校では選択授業とされている。現在、イスタンブルで唯一オスマン・トルコ語の必修授業が行われている学校であるミュムタズ・トゥルハン博士社会科学高等学校にて、第10学年のオスマン・トルコ語の授業を訪問した。講義の題目は、ナスレッディンホジャの小話における結合接尾辞についてだ。

■教師は4人

教科書は、オスマン・トルコ語で書かれたナスレッディンホジャの小話のページが開かれている。生徒たちは、テキストからトルコ語の接辞の結合の表記を抜き出し、つづりと読み方を学んでいる。

学校でこの授業を受け持つのはトルコ語・文学の4人の教師だ。授業の内容は、読解が中心であり、作文はカリキュラムに含まれない。教師のセマ・チメンさんは、「書くことは、単に読解の助けになるようにということで、写したり見ながら書くやり方で行っています。作文はしていません」と述べた。チメンさんは、第10学年から始まる授業のカリキュラムについて次のように要約している。

■「なぜ学ぶのか」

「授業を始めるときにはオスマン・トルコ語が何であるかを教えています。2つ目の題目は、オスマン・トルコ語をなぜ学ぶべきなのか、ということです。実は、例の墓碑の件も実地でおこなわれる活動なのです。生徒たちに次のように活動を促します。「イスタンブルで特に歴史的な場所を訪れ、オスマン・トルコ語で書かれた部分を写真に撮ってください。これらを読むことでどんなメリットがあるのか、何を感じたのかを考えて書いてください」と言います。この中には、当然ながらオスマン・トルコ語が書かれた霊廟、モスク、図書館の傍らの墓碑があります。あれは、そもそも、そういうことから生じる問題なのです。その段階から文章へ移り、後の学年で読解に入ります。さらに[オスマン・トルコ語に含まれる]アラビア語、ペルシャ語の要素、それらのオスマン・トルコ語に関係した文法的特徴を学びます。最終学年では様々な書体について紹介します。」

チメンさんは、オスマン・トルコ語が将来、法、文学、歴史、社会学などの分野を専攻する学生にアドバンテージを与える、ということも付け加えた。

■生徒ら、「簡単」

シェイマ・ウスルさん「授業はとても楽しく、全く辛くありません。将来は社会科学の分野で学者になりたいです。オスマン・トルコ語を知っているということが、希望する仕事においても有益であると思っています。」

アイセナ・ヌル・チュナルさん「アルファベットと、複数の単語が並んだ場合にどのように読むのかを学んだあとは簡単な言語です。オスマン・トルコ語で書かれた膨大な記録があります。社会科学分野でのキャリアを考えているので、この記録を読み理解することは私にとってとても大きな助けになるでしょう。」

■「とても楽しい」

メフメト・フルカン・オゼンさん「授業は楽しいです。アルファベットを学び、今は読む練習をしています。社会学を学ぶつもりなので、研究対象とする資料の数が増えると思います。」

ハンデ・セクメンさん「文字を知ってからは難しくありません。[アラビア文字の]子音[の文字]を結合させると、しばらくすると頭で[母音を思い浮かべて]それを補うようになります。私は心理学を学びたいです。私にとっては全般的な文化という視点でとてもプラスになると思います。」

イスマイル・ドゥラクさん「はじめは読むのが難しく感じていましたが、今は読めます。書くことに少々苦労していますが、それも練習することで解決していくと思います。将来オスマン・トルコ語は法の分野で私にとって役に立つと思います。」

セダ・チェチェンさん「私は授業をとても楽しんでいます。将来は法律を学びたいです。オスマン・トルコ語を知らなければ、文書資料を読むためにいつも誰かの助けを必要とすることになってしまいます。」

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( 翻訳者:吉岡春菜 )
( 記事ID:36186 )