マルマライ「前倒し」工事のつけー大成建設から多額の未納金請求
2015年03月31日付 Hurriyet 紙

エルドアン大統領の要請で、前倒しで2013年10月29日に工事を完成させ、その日に開通式を行ったマルマライであるが、日本の大成建設が、未納金があると訴えた。エルドアン大統領からダウトオール首相にまで全員に手紙を書いた大成建設は2億ドルを請求している。

マルマライを建設した日本の大成建設は、仕事を前倒しで完成させたことの見返りとして、会社に支払われるとされた「追加金」の契約がまだ履行されていないとして、日本政府を動かすとともに、タイイプ・エルドアン大統領からアフメト・ダウトオール首相に、そして関係閣僚にまで、全てのトルコの部署に手紙を送って、「今後インフラ・プロジェクトにおけるわが社の関わり方に影響を及ぼすだろう」という警告を出した。
交通海事通信相の関係者は、大成建設に感謝していること、また彼らの状況は理解すること、しかし彼らが行っている圧力は正しいものではないと述べた。同省関係者は、「契約の求めに応じて行われます。少しの遅れについて言及されるかもしれません。しかし企業の仕事はそのルールに則って行われなければなりません。法外な金額がでてきているのです」と話した。
GAMAとNUROLと共同企業体(ジョイント・ベンチャー)を構成していた日本の大成グループを代表して、社長でCEOの山内 隆司氏が、2015年1月30日にマルマライ計画に関して、エルドアン大統領あてに書いた最終通告の手紙の要約は以下の通り:「大統領閣下、閣下にマルマライの開通式典で、建設を担った我々の完璧なまでの運行の成功に、ご満足いただけたときから、既に一年以上の時間が経過しました。マルマライ運行のために、プロジェクト発注者の要請のもと、工事を前倒しで完成させました。発注者が記録していたわれわれの監査記録以外に、遅れを取り戻すため、かなりの努力をし、追加金を含めて、成功にこぎつけることができました」

■契約違反の訴え

「2014年3月10日に貴殿のご助力を賜りたく手紙でお知らせしたように、2013年10月29日に運行を開始するために、かなりの高額に上った追加金の問題のほとんどが未解決であります。約2億ドルに上るこのコストは、約120の組織を巻き込んでいます。十分な金額のJICA(独立行政法人国際協力機構)の借款(クレジット)は、保証されており、同時に当時のビナル・ユルドゥルム交通海事通信相からは、2013年末にすばやい合意に達することになるとの確証も得ておりましたのに、問題が未だに解決しておらず、わが社のキャッシュフローは深刻なほど影響を受けました」

手紙のそのあとの部分では、見解の相違ゆえ、まず国内、その後に国際的な仲裁機関へ訴える権限についてほのめかしながら、二つの問題に関する国内の仲裁機関の決定が履行されなかったにも不満を漏らしている。このことは疑いもなく契約違反であるとする手紙では、「わが社としてはこれを認めることはできない」としている。
手紙では、発注者による追加費用の調査が、「類をみない程長引いたため」、仲裁に頼ることも不可能であったと述べられている。この手紙には、仲裁機関に頼る可能性や、そこから決定を引き出すために、大統領に必要な指示を出してくれるよう求めており、以下のように文を結んでいる。
「閣下がプロジェクトにお示しくださったご助力の賜物と、施工責任者として感謝と親愛の念をお伝えいたします。また私たちに語ってくださったように、トルコの重要なインフラ・プロジェクトへの貢献を今後も継続できるよう我々は努力を続けております。しかしながら、上記の問題が長い期間解決されないことで、将来のわが社の関わり方に深刻な影響が出かねないということをも、深く憂慮いたしております。親愛の念を込めて願いまするに、閣下のご助力で、係る財務上の問題が、遅延無き形で解決に向かうこと、そして支払いがなさますように」。

■圧力を理解できない

交通省の関係者はこの件に関して以下のように伝えた。
「正直なところ、施工会社が大統領、首相、外務大臣、財務、経済大臣に圧力をかけたということを理解できません。11月以来彼らには何度も話し合いの場を持ちました。コンサルティング会社はユーラシア社で、そこにイギリス人、デンマーク人そしてトルコ人がいます。大成建設と話合いがなされ、前向きないい感触を得、理解がなされました。作業前倒しの命令が下されて、必要なことがなされて、マルマライが開通しました。感謝しております。この枠組みで3億2000万ドルの事業が完成し、1億2000万ドルがすでに支払われたようです。残金のための書類請求が行われたようで、フォルダやファイル、袋などなど。この書類は手順通りには出てきません。手続きが完了すれば、支払は行われます。3月、4月、5月中の支払いを見込んでいます。できる限り早く書類化を実現していただければ」

■この手紙はダウトオール首相にも

山内社長は同じ手紙をアフメト・ダウトオール首相にも送った。2014年付の手紙にここでも言及し、同じ内容を伝える山内社長は、トルコの重要なインフラ・プロジェクト支援のため、努力したことを明らかにし、「エルドアン大統領が我々に語ってくださいましたように」というようフレーズを使いながら、文章をしたためている。山内社長は、手紙の最後で、協力得るためにエルドアン大統領に手紙を送ったということを、「貴殿にお伝えしたく思います」というフレーズで伝えた。

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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:37223 )