熟年層が離婚を望むとき(5)
2015年05月13日付 Jam-e Jam 紙


中年期とは成熟期である

【モハンマド・レザー・デジュカーム(心理学者、家族カウンセラー)】熟年離婚は、「〔麻薬〕中毒」、「裏切り(不倫)」、そして「家族の干渉」の3つの側面から検討が可能であり、また携帯電話のような最新技術の利用といった面からも観察することができる。

 「裏切り(不倫)」では、衛星放送チャンネルの影響を否定することはできないだろう。長年ともに暮らしてきた夫婦は、今や男女が幸せを感じ取ることのできる場所など〔家庭には〕存在しないかのように感じるまでになっている。そして男はほかの女を探し求めるようになっている。なぜだろうか。それは、男には多様性を好む〔=さまざまな女性を求める〕性質があり、〔男女の情愛を描いた、海外から流れてくる〕衛星放送の〔ドラマ・映画〕番組の影響が、そうした〔男の〕性質を倍加させているからだ。

 ここでわれわれが追究しなければならないのは、夫婦生活の実態であり、何がこうした事態〔=熟年夫婦の生活の荒廃、離婚の増加〕の発生の原因となっているのか、である。果たして妻は自分の夫を愛さなくなっているのだろうか。それとも、妻が更年期を迎え、‥‥ということなのだろうか。

 「裏切り」の次は、「〔麻薬〕中毒」が2つ目の原因である。

 妻は何年もともに暮らしてきた末に、夫と別れることを決意する。それというのも、子どもたちが自立し、それぞれの生活を送るようになったからである。このような場合にいつも私たちの脳裏に浮かぶ最初の選択肢が、離婚なのである。実際には離婚は最後の選択肢でなければならないにもかかわらず、である。

 ここで再び男性の側の「〔麻薬〕中毒」の問題を追求することが必要となってくる。つまり、なぜ〔夫の中毒症状は〕このような地点にまで至ってしまったのか、という問題である。

 最後の要因として、家族の干渉が挙げられる。夫婦は長年連れ添ってきたにもかかわらず、この期に及んで夫側、ないしは妻側の家族のメンバーの干渉が原因で離婚の道を選んでしまうことがある。しかしながらここでも、私の考えでは、こういった問題を理由とした離婚は正しい行動とは言えない。

 もし双方がお互いに愛し合っているのなら、この問題と折り合いをつけるか、〔干渉してくる家族との〕関係を断つかするのがいいだろう。「私は他人の言うことを我慢できるような状況にはない」と言って、もし自分や自分たちの生活を大事に思っているのなら、〔干渉してくる家族との〕関係を縮小させるか、断つかするよう、相手〔=妻ないし夫〕を説得するべきだろう。なぜから、この年代〔=中年期〕とは成熟期なのだから。

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( 翻訳者:KWN )
( 記事ID:37666 )