テロリズムというコマを使うアメリカのゲームの舞台裏(1)
2015年07月02日付 Jam-e Jam 紙


一部のテロ組織に対するアメリカ合衆国の、沈黙を伴った支援を考える

【ジャーメ・ジャム紙11面:セイエド・ナーセル・ネエマティー】「テロとの戦いという今日のスローガンは、その他の世界に対するアメリカ合衆国の偽善に満ちた視線でしかない」。これは、ある東側の政治関係者の言葉でもなければ、反抑圧を訴えるメディアのスローガンでもない。そうでははなく、これはスタンフォード大学政治学教授のグラハム氏が、自著のなかでテロリズムというものに対するアメリカのアプローチについて指摘した発言なのだ。「偽善に満ちた視線」—それはアメリカのイランに対する敵意の歴史に、多くの事例をみることができよう。

 イラン国民の記憶は、ティール月6日と7日〔※西暦6月27日及び28日〕を流血の日として、イランのカレンダーに刻み込んだ組織どものことを覚えている〔※〕。アメリカの寵愛を受け、同国の支援によって、自分たちの共通の目標を実行に移した組織どもである。

※訳注:1981年6月28日にテヘランのイスラーム共和党本部で起きた、モジャーヘディーネ・ハルグ(人民聖戦士機構)によるものとされるテロ事件のことを指す。この事件で同党の党首を務めていたアーヤトッラー・ベヘシュティーや閣僚4名を含む、70名以上が死亡した。

 イランや他の国々で多くのテロ行為を実行してきたことを自ら認めている「偽善者たち」〔※MKO/モジャーへディーネ・ハルグのこと〕に対するアメリカ当局の向き合い方には、この国のテロに対するダブルスタンダードな政策がよく現れている。「偽善者たち」をテロ組織のブラックリストから除外したアメリカの行動は、この主張を証明するものである。多くの諜報機関や公式筋の報告書によって、この組織の名前は長年にわたって、テロ組織のブラックリストに掲載されていた〔※〕。

※訳注:MKOはシャー体制の時代より、反体制組織の一翼として、イラン国内で要人や大使館関係者の暗殺に手を染めていたことから、アメリカやEUのテロ組織のブラックリストに掲載されていたが、EUは2009年に、アメリカは2012年にこの組織をブラックリストから除外した。

つづく


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( 翻訳者:SS )
( 記事ID:38170 )