ボスニアの若者たちが抱く「ダーイシュ・ドリーム」(2)
2015年07月01日付 Jam-e Jam 紙
サラエボ大学の政治学教授ヴラード・アジノビッチ(Vlado Azinović)氏と同国〔=ボスニア・ヘルツェゴビナ〕のジャーナリストのムハメド・ユーシッチ(Muhamed Jusić)氏は最近、「シリア内戦の誘惑:ボスニア地方から渡った外国人戦闘員たち」(
The Lure of the Syrian War: The Foreign Fighters’ Bosnian Contingent)と題されたリポートを発表している。
このリポートは、外国人部隊が多種多様な武器の使い方について習熟し、また過激な信条を得て、シリアやイラクから帰国することは、ボスニア・ヘルツェゴビナにとってだけでなく、〔バルカン/ヨーロッパ〕地域全体にとって深刻な脅威であると指摘している。
このリポートによると、2013年から2014年にかけて、ボスニア人の男性約156名、女性約36名が25名の子供とともにシリアに渡り、そのうち約48名の男女が、今年の1月までにボスニアに帰国したとされる。
実際のところ、この脅威にボスニアがほとんど対応できていないことが、このリポートの指摘するもう一つのテーマとなっている。同国は1995年の和平合意以降、2つの地域に分けられている。「ムスリム・クロアチア人連邦」〔※ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦〕と「セルビア人共和国」〔※スルプスカ共和国〕の2つである。
これに加えて、この連邦国〔※主権国家「ボスニア・ヘルツェゴビナ」を構成する「ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦」のこと。原文には「この」ではなく「いずれの」とあったが、誤りと判断した〕も10の州に分けられている。同国では警察・治安機関が22も活動しており、多くの場合、彼らの義務や役割は互いに重複している。
このリポートは、外国人戦闘員に関する明確な情報は存在しないと指摘しつつ、次のように述べている。「通常、複数の法的な治安機関の間には、この問題に関する統一的な協力体制が存在しない。そのため、この問題をしっかりと認識し、調査するにあたっては、多くの欠陥が存在するのである」。
「われわれは実践的な対策を何ら講じておらず、傍観しているにすぎない」とアジノビッチ氏が指摘するのは、このためである。
外交筋の報告によると、サラエボ政府はテロ対策を目的とした新たな戦略を準備しているところであり、そこではシリアおよびイラクから帰国した勢力にどのように対処するかについて、多くの力点が置かれているという。
つづく
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( 翻訳者:SM )
( 記事ID:38331 )