「この臓器、売ります‥‥」―競売にかけられる身体(3)
2015年09月09日付 Jam-e Jam紙

ブローカーから買う以外に仕方がないのです

 市内にある患者の往来の激しい病院の中は、臓器ブローカー、そしてもちろんその売人たちにとって格好の場所となっている。買い手が何を求めているのかは、その目の動きではっきりと分かるものだ。

 私〔※この記事を書いているサミーン・チェラーギー記者(女性)〕は市内にある、患者数の多い某病院を訪れた。椅子に座り、携帯電話で何事かをしているふりをした。ある女性がすぐ横に座ると、彼女の電話が鳴った。彼女はテヘランの人ではないようだ。彼女は独特のなまりで話していたが、彼女の話から彼女が腎臓を必要としていることが分かった。彼女が電話を切ったのを見計らい、私は腎臓を必要としているのかと尋ねてみた。すると、彼女は次のように答えた。

私には20歳になる息子がいるのですが、どうしてこんな不幸に見舞われてしまったのでしょうか、小さい頃から腎臓に問題を抱えているのです。人工透析をしてきたのですが、ついに治療は困難と、医者からは見離されてしまいました。彼らに促されて、私たちは地方からテヘランに来ました。彼らによると、テヘランなら腎臓を早く見つけることも可能だ、というのです。〔‥‥〕私たちは〔臓器移植のウェイティングリストに〕登録しましたが、いまだ返事はありません。

 彼女は、住んでいる地域では平均的な生活を送っており、夫と共働きである。夫婦の間にはこの息子のほかに、13歳と17歳になる2人の娘がいる。彼女が言うには、もう疲れた、息子の腎臓を探すためなら、必要なものは何でも出す用意はあるとのことだった。

 私は「ちょっと外に出て空気でも吸わない?もしかしたらお役に立てることがあるかもしれないわ」と言ってみた。

 太陽が、まるで自分の存在をふだんより誇示しようとしているかのように、さんさんと照りつけていた。私は女性に言ってみた。「買いたいなら1億トマーン〔※約333万円〕払って」。

 彼女は値段を聞くとビックリ仰天といった様子で、チャードルを体の前にたぐりよせて、次のように言うのであった。

そんな値段はムリよ。6千万トマーン〔※約200万円〕で私たちに用立ててくれるって言ってくれた人を、すでに一人見つけているの。夫が地元に戻っているんだけど、お金を借りて、その6千万トマーンのを買うことができるんじゃないかと思ってるのよ。

つづく


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(翻訳者:OS)
(記事ID:38707)