エルドアン大統領、選挙勝利へ感謝の祈りはエユプ・スルタン・モスクにて
2015年11月02日付 Cumhuriyet 紙


エルドアン大統領は感謝の祈りをスルタンらが帯刀の儀を実施したエユプ・スルタン・モスクで行った。

タイイプ・エルドアン大統領は、選挙結果後すぐにオスマン朝のスルタンらが即位前に帯刀の儀を行ったエユプ・スルタン・モスクで「感謝の祈り」を行う様子が注目された。モスク退出時に声明を発したエルドアン大統領は、「国民の意志は、『安定以外に活路はない』と伝えた。国民に対し私が最も望むことは我々が、一体とな り、偉大になり、同胞となる事である。またトルコが渾然一体となることである。私は『単一の国民、単一の国旗、単一の祖国、単一の国家』と申し上げた。この四つの柱は、必要不可欠である」と述べた。

西欧メディアからの批判に注目を向けたエルドアン大統領は、「なぜ彼らは国民の意志に敬意を示さないのか。彼らにこの問いを投げかけねばならない。なぜ得票率52%に敬意を示さないのか。トルコにおいて約50%の得票率を得て与党となったのだ。従ってこの事に全世界が敬意を示さねばならない」と語った。

エルドアン大統領はその後、オスマン朝スルタンに倣ってカラジャアフメト墓地にある両親の墓地も訪れた。

■ スルタンたちもそうしていた

征服王メフメト2世によるイスタンブル征服後にオスマン朝スルタンの帯刀の儀がエユプ・スルタン・モスクで行われた。帯刀の儀の基本儀礼法を明確にしたのは征服王メフメト2世であった。メフメト2世は、イスタンブル征服前に発見されたアブー・アイユーブ・アル=アンサーリーの墓の前で、アクシェムセッディ ン導師の手から刀を受け取り帯刀した。

■ カリフ制を復活させようとしている

歴史家であり作家のアイシェ・ヒュル氏は、エルドアン大統領が大統領制を提唱し、11月1日の選挙後にエユプ・スルタン・モスクへ赴き感謝の祈りを行ったことを以下の様に講評した。「エルドアン大統領は、共和国の遺産を否定し、それを凌駕する伝統を考案し、独自の伝統を創出しようと努めている。トルコでイスラーム保守層にとってよりなじみ深いもの、とりわけオスマン朝の儀礼やシンボル、スルタンの名前…オスマン朝スルタン制の存続のためにオスマン家の、王族の出である必要がある。彼はそれが出来ないと分かっているがためにスルタンに似た「カリフ」として、一層の宗教的な権威づけに訴えている。「カリフ」という概念が彼により相応しいのである。エルドアン大統領は、より一層カリフという地位を復活させようとしている。帯刀の儀は学問、芸術、哲学に所縁のない人々が、自らを最も良く表現する分野であり、軍隊、兵役、力の行使である。全てが共和国の伝統に反する。彼は「あなた方は舞踏会でワルツを踊っているが、私たちは伝統に倣っている」というメッセージを発している。

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( 翻訳者:藤井庸平 )
( 記事ID:39095 )