エルドアン・安倍共同会見「重要なプロジェクトを開始」
2015年11月13日付 Cumhuriyet 紙


マベイン・キョシュクで日本の安倍晋三首相を出迎えたエルドアン大統領は、二者並びに代表団間の会談を終えた後、安倍首相とともに記者会見を行った。

レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、日本の安倍晋三首相による訪土が2つの国民間にある古くからの友情と連帯感という絆をより強固にすると確信していると話し、以下のように述べた。「特に日本との間ではマルマライ計画やイスタンブル・イズミル間のイズミト湾架橋工事が、現在、未来と今に印された共同の調印である。願わくば、ダーダネルス海峡の架橋工事も日本とともに行いたいと考えている。そしてまた、今ともに歩みを進めているスィノプ原子力発電所の件においても、2023年を目標としているので、建設作業が2023年までに完了することを願っている。これらはすべて、未来を照らす強い光になると私は考えている。」

エルドアン大統領は、日本の安倍首相とともに共同記者会見を開いた。

エルドアン大統領は10月7日から8日にかけて日本を訪問したことに言及し、その際に日本の明仁天皇や安倍首相と会談し、トルコと日本の関係をあらゆる面から実感し、さらに現在進行中の共同事業があらゆる分野でより進められていくことへ向けた政治的意思が、政治の最高レベルにおいて確認されたと発言した。

安倍首相の訪土は「先に述べた政治的意思のもっとも具体的かつ力強い証し」であると考えていることを強調したエルドアン大統領は、さらに以下のように報道陣に伝えた。

「今、友人である安倍首相と再び包括的な会談の場を設けることができた。二者間、そして代表団間でも会談を行うことにより、トルコ・日本間における経済や貿易、それに加えて特にエネルギー問題に関して何ができるかについて意見を交わす機会を設けることができた。そして地域的な問題についても取り上げ、検討することができた。さらには、明日(14日)から始まるG20アンタルヤサミットについても、互いの意見を交換する機会ともなった。貿易や経済、エネルギー問題を始めとし、二国間の関係をすべての面から意見交換した。」

■「トルコと日本の関係において、エルトゥールル号事件は特別なもの」

エルドアン大統領は、トルコと日本の関係においてエルトゥールル号事件が特別なものであることを示し、以下のように述べた。

「今、こうして行っている記者会見の場は、この観点から非常に重要なものだ。少し前、ここに来るときに私は友人の安倍首相に対してこのように話した。この記者会見の場は、ご存知のようにスルタン、アブデュルハミト2世によるわれわれへの遺産だ。125年前、アブデュルハミト2世が日本の明治天皇に献上品と交流を望むメッセージを載せて遣わしたエルトゥールル号は、その帰路に遭遇した災害により串本町沖に沈没した。この建物内に入られた際に、展示をご覧になられたなら、それらの展示においても、実はこの事件が描かれていた、ということが示されている。串本町の市民はトルコの使節団を救出するため、危険を顧みず努力してくれた。事件を要約した映画でも、このことについては共に鑑賞した。映画の全体が公開されれば、この日本の人々の行為が、極めて異例であったことを我々は知るだろう。そして我々がトルコと日本の関係がどこに依拠しているのかを知って、共に新たな歴史を刻んでいくことになると私は信じている。125年間、日本の人々は我々の殉難者たちを大切な記憶として守り、本当に極めて異例な、例外的な態度を示してきた。このことを、われわれは非常に重要視している。この機会に、私はもう一度すべての日本国民の皆さんに個人的に、そしてトルコ国民の名の下に感謝の意を述べたい。」

トルコと日本の友情を生み出したもう1つの出来事についても言及したエルドアン大統領は、トルコ航空が1985年のイラン・イラク戦争で最も緊張状態が高まった時に、テヘランに残された215名の日本人を避難させ、日本国民に「実際に」恩返しをしたと話した。

エルドアン大統領は、安倍首相とともに上述した2つのドラマティックな事件を題材にし、メインテーマとしてトルコと日本の友情を語った「エルトゥールル1890」という映画について、用意されていた30分間の要約版を鑑賞したと述べ、このプロジェクトを進めるために努力した人々、そして映画の撮影に尽力した人々に祝いの言葉を伝えた。

■「重要なプロジェクトにトルコと日本が共同で調印した」

安倍晋三首相をG20サミットのためアンタルヤで歓迎したことを喜ばしく思うと述べたエルドアン大統領は、以下のように話した。「安倍首相による今回の訪土が、2つの国民間にある古くからの友情と連帯感の絆をより強固なものにすると信じている。特に、日本とはマルマライ計画やイスタンブル・イズミル間のイズミト湾架橋工事が、今現在未来と今に交わされた二国間の調印となっている。またマルマライ計画においてだけでなく、現在に至るまで行われた二国間の共同の道のりは、金額にすると約1億ドル近くになる。これほど重要なプロジェクトに、トルコと日本が共同で調印したのだ。この二国間の友情が、大きな意味を与えた戦略的パートナーシップに対しても、新たな刺激と深まりがもたらされることを願っている。」

レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、安倍首相の訪土がトルコと日本にとって繁栄をもたらすものとなるよう望むと述べ、さらに以下のように話した。「願わくば、ダーダネルス海峡の架橋工事も日本と共同で実施したいと考えている。そして現在進行中のスィノプ原子力発電所の件でも、2023年を目標としているため、2023年までに完了されることを願っている。これらすべてが、未来を照らす強い光となるであろうと考えている。」

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:39155 )