アンザリー湿原の再生に尽力する日本(3)
2016年04月13日付 Iran 紙

 JICAの専門家チームの副リーダーであるイタロウ(イタル?)・アクダ(オクダ?)博士はイラン紙とのインタビューで、「2014年に開始されたこのプロジェクトのフェーズ2は、廃棄物や下水の管理、エコツーリズム、地域社会における環境教育、水源〔の管理〕、そして湿原の生態系の一元的保護に重点を置いています」と述べている。

 同氏は、さらに次のように話す。

私の専門分野は水です。これまで多くの国で、水環境関連の仕事をしてきました。しかしこのプロジェクトは、私がイランで取り組む初めてのものです。アンザリー湿原はきわめて多くの問題に直面していますが、しかしにもかかわらず、アンザリー湿原の再生は可能であると考えています。しかしどんな作業を実施するにも、その前に、正確かつ総合的な調査が行われなければなりません。現在の状況を知り、それを過去の状況と比較することで、適切な対処法が導き出されるのです。

 この専門家は、アンザリー湿原南部が干上がっている原因について、次のように指摘する。

現在、その真の原因について調査中です。現在確かなことは、この湿原の水深は非常に浅くなっており、南部は完全に干上がっているということです。その原因は3つ考えられます。上流地域の草原が破壊されたことで、〔湿原に〕沈殿物がたまったこと、そして湿原でのゴミの放棄が、二つの主な原因であると考えられます。さらには、湿原への水の流入量が減少した可能性もあります。現在これら3つの要因がどのような作用を及ぼしているのかについて、調査しているところです。

 さらにアクダ(オクダ?)博士は、次のように述べている。

自然環境は、多くの発展途上国で同じような困難な状況にあり、イランも例外ではありません。私はベトナムで、アンザリー湿原より深刻な状況の湿原を見たことがあります。しかしまず、アンザリー湿原を管轄する複数の意思決定機関の間に、必要な連携体制が構築される必要があります。こうした連携・協調が実現されない限り、何もできません。この間、私たちが得た最大の成果がこれでした。つまり、私たちは関係するすべての責任者たちを「湿原管理委員会」の下に集めることに成功したのです。この委員会の委員長の職はギーラーン州知事のところにあり、現在すばらしい仕事が行われているところです。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:JNY )
( 記事ID:40425 )