ナウル共和国でイラン人避難民1人が焼身自殺(2)
2016年04月28日付 Mardomsalari 紙

 ナウルはオーストラリアにほど近い、人口1万人ほど、面積21平方キロメートルの島国である。ボートに乗って違法にオーストラリアを目指す移民たちの多くは、「キャンベラ条約」にもとづき、ナウルにある拘置所に拘留される。

 この事件の映像からは、23歳のイラン人男性が自らを何らかの液体で濡らし、ある場所に立って、何事かを叫んでいる様子が見て取れる。その後、炎は一群の人々によって消されるが、しかし火傷が頭部を含む全身に及んでいるのが分かる。ガーディアン紙の報道によると、彼はナウル共和国病院に運ばれたが、さらなる治療のためにオーストラリアに搬送される予定とのことだ。ピーター・ダットン氏は、このイラン人青年の妻に同情の念を述べつつ、「この状況は大変残念です。あらゆる医療的支援がこの人物に提供されることを望みます」と述べた。

 ナウル拘置所では過去39日間にわたる長期間の抗議運動が起きており、抗議を行っている一部の者たちが国連の代表者と面会することも阻止されていると言われている。また、イラン人避難民の女性2名が日曜日から行方不明となっており、彼女らが〔オーストラリアに渡ろうとして〕溺死した可能性がある。

 オーストラリア政府は違法移民らを自国に強制送還するか、第三国に移そうと試みているが、イランはこれらの者たちは合法的に出国したのであり、彼らの帰国も自発的なもの、移民・避難民本人の意思によるものであるべきだと強調している。

 オーストラリアのABCニュース・チャンネルが示した統計によると、3千人以上ものイラン人がオーストラリアでの難民申請に対する審査を待っており、同国への違法移民らを拘留している拘置所で過ごしている者たちの5分の1以上は、イラン人だという。

 ナウル政府はこれまで、今回の事件に対して、遺憾の意や同情の念を一切表明していない。また、同国の拘置所のきわめて劣悪な状況が批判の的になることも、今回が初めてではない。

 他方、ISNAの報道によれば、同じくオーストラリアへの避難民らの拘置所があるパプアニューギニアは火曜日〔※2016年4月26日〕、パプアニューギニアにあるオーストラリア避難民拘留施設は違法であるとの、同国最高裁判所の最近の判決を踏まえ、これらの拘置所を閉鎖する意向であることを表明した。現在パプアニューギニアには800人以上の避難民がいる。

 その一方で、オーストラリア移民省のピーター・ダットン大臣は避難民らに対して厳しい対応を取っている自国の政策を擁護しつつ、オーストラリア政府は依然として、これらの避難民たちは沿岸地域にある拘置所に送られるべきだと考えている旨を述べている。

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( 翻訳者:SHN )
( 記事ID:40643 )