ミヤーンカーレ半島は危機的な状況―ゴルガーン湾で繰り返されるウルミエ湖の悲劇(2)
2016年05月26日付 Mardomsalari 紙

ゴルガーン湾の水は減少し、汚染されている

 マーザンダラーン州の自然環境問題に取り組むある活動家は、メフル通信に次のように述べている。

ミヤーンカーレ湿原とゴルガーン湾の重要さは、自然環境について初歩的な知識を持っている人なら誰にとっても明白です。この湿原はカスピ海に接続した、最大の淡水貯蔵池の一つであり、その独特の地理的形状や、その特別の生態系によって、カスピ海に生息する多くの硬骨魚類ならびに軟骨魚類の繁殖地となっています。

 ホッルマンスーリー氏はさらに、次のように明言する。

もしチャパーグリー水路を介した、ゴルガーン湾とマーザンダラーン海との連結が何らかの理由で狭まるようなことになれば、間違いなくカスピ海の生態系に相応の影響が及ぶでしょう。なぜならゴルガーン湾は、硬骨魚類および軟骨魚類の主要な繁殖地の一つだからです。

 同氏はこの湾と湿原を脅かす多くの要素を、次のように列挙する。「アルボルズ山脈の東部、中央部、および西部の上流地域からマーザンダラーン海ないしその周辺の湿原へと流れ、最終的に〔カスピ〕海へといたる、マーザンダラーン海の南にあるすべての川が現在、深刻な流入水の減少という問題に直面しているのです」。

 同氏によると、15年前から徐々に、果樹園で栽培されていた柑橘類などの果物の価格が下落し、この海の沿岸部にある柑橘類の果樹園が消滅、水田に姿を変えるようになったことで、いまでは水田が900キロ〔平方〕メートルも拡大しているという。ミヤーンカーレ半島の自然を観察してきたこの人物は、次のように述べている。

稲は周辺に地上数センチの水を必要とする種です。この水は浅く、きわめて広い範囲に広がっているために、すぐに蒸発してしまいます。河川や湿原、そして最終的には海へと流れ、生命を世界最大の湖へ戻す代わりに、残念ながら、相当な量が蒸発してしまうのです。残ったものも、重金属や薬品、化学物質でいっぱいの農薬や化学肥料が多量に使用されているために、〔‥‥〕命を与える代わりに、湿原から命を奪う可能性があるのです。

 ゴレスターン州環境局長もこのことを認め、次のように付け加えている。

家庭排水や工業排水、農業排水は、マーザンダラーン方面からであれ、ゴレスターン方面からであれ、湾に注ぎ込み、その大部分は濾過されていません。〔流れ込む水の〕汚染の増大によって、海水の汚染はより深刻になり、また水分の蒸発もあって、ゴルガーン湾とカスピ海の塩分濃度の急激な上昇がもたらされているのです。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:YRK )
( 記事ID:40729 )