ターリバーンの今後(1)
2016年05月25日付 Mardomsalari 紙

【マルドムサーラーリー紙14面:国際部】パキスタンのテレビは昨日(火曜日)、アフガニスタンの原理主義組織ターリバーンはおそらく、ムッラー・アフタル・マンスールの後継者を3日以内に指名するだろうと伝えた。すでにターリバーンの指導評議会が招集されたとも言われている。ターリバーン指導者ムッラー・アフタル・マンスールの後任としては多くの人物がいる。ターリバーン指導者は土曜日、アメリカの無人航空機の攻撃によってパキスタン領内のアフガニスタン国境付近で殺害された。ムッラー・アフタル・マンスールは2015年の半ば、パキスタン・バルーチェスターン州中央部の都市クエッタで催された前指導評議会で〔指導者に〕選出されていた。彼は2013年に死亡したムッラー・ウマルの後任であった。

 CNNの報道によると、ターリバーン指導者ムッラー・マンスールの後継者は、同師が直面していた難題すべてを引き継ぐことになるだろうが、その人物がマンスール師ほど政治的に老練である可能性は低く、ターリバーン指導者としてマンスール師がもっていた〔他の幹部に対する〕優位性や、現金への容易なアクセスを有するようなことはないだろうとされている。

 アフガニスタンのターリバーン運動の指導者であることは、世界でもっとも気苦労の多い職業のひとつに違いない。ターリバーンの新たな指導者が取り組まなければならない最初の問題は、自身の正統性について、組織の残りのメンバーを納得させることである。彼は、自らが価値のある候補者であり、禁欲主義者であり、かつひとりの優れたジハード戦士であって、ターリバーンが認めるイスラーム法(シャリーア)に基づいて選ばれたということを示さなければならない。もし彼がこれらすべてを成し遂げることができたなら、その時は、彼はターリバーン運動の指導者の特権として、問答無用の服従を要求することができる。ムッラー・マンスールはターリバーン指導者を引き受けた少しあと、文化委員会を発足させ、自らの指導者としての資格や条件を強調する目的で、自叙伝を発表している。

 もしターリバーンが、指導者の後継問題をめぐって内部での政略・抗争にかかずらうようなことになれば、この民兵組織が再び正統性を確保するまで長い時間がかかるだろう。

 ターリバーンの新指導者にとって重要なのは、パキスタン当局に容認されるような振る舞いをしなければならないということである。ターリバーンがアフガニスタンでの民兵活動の拠点として、パキスタンを利用することができるようにするためだ。アフガニスタンのターリバーンはこれまで常に、パキスタン領内での軍事活動を避けている限り、同国に避難し、居続けることができると考えてきた。

 〔しかし〕過去6ヵ月間にわたり、パキスタン当局はターリバーンに対して、法律に変更があったことを伝えてきた。ターリバーンはカーブル政府と交渉しなければならず、もしそれができないようならば、不測の結果に直面することとなるだろう〔、とパキスタンはターリバーンに脅しを加えているのである〕。ムッラー・マンスールは最期まで頑なにこの圧力に抵抗し、ターリバーン関係者らに交渉参加の許可を一切与えず、この問題に対しては一連の口実と時間稼ぎの戦術を駆使してきた。

 ターリバーン新指導者は、交渉のテーブルにターリバーンが就くことに対して、パキスタンがどれほど本気であるのかについて改めて評価し、もしパキスタンの仲介による和平交渉から距離を置くムッラー・マンスールのスタンスを継続した場合、果たして本当に〔パキスタン当局が脅すような不測の〕結果に直面するのかどうかについて、考察する必要に迫られるだろう。

つづく


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( 翻訳者:KM )
( 記事ID:40767 )