トプカプ宮殿、深いひび割れ
2016年09月25日付 Hurriyet 紙


トプカプ宮殿が倒壊の危機に直面している。宮殿の宝物を展示していたファーティフ・キョスクが安全上の理由で閉鎖された。キョスクの地下の壁と天井にひび割れが確認された。そのため文化観光省は緊急で修復を開始させた。

何年間も塗装修復によって建物を支えようとしていたトプカプ宮殿の博物館の耐力壁に深いひび割れが見つかった。宝物部門が展示されているファーティフ・キョスクの地下にある壁のセメントのモルタルをはがしている時に偶然現れたひび割れによって、トプカプ宮殿では不安が起きている。宮殿の第3庭園にあり、最も重要な物が展示されている宝物部門は、安全上の理由で閉鎖された。価値は計り知れないほどの宝物は、宮殿の安全な倉庫に移された。2016年5月13日付の専門家の報告書では、「修復活動が行われていた部分を削り落とす作業の後に現れた、形の崩れた箇所は、割れ目という次元を超えていて、裂け目や深いひび割れといった段階まで来ているように見えた」とあった。

■同じ土台の壁は1年後に崩れた。

今年の4月初めに、ギュルハネ公園の海に面した喫茶店の壁を移設した。その際に博物館が行った会見で、「同じ土台の上にあるコンヤル・レストランの壁も崩れており、宮殿の海に面した場所で危険判定を行う予定である」と発表された。判定において崩れていた壁と同じ向きにあるファーティフ・キョスクの地下においても崩壊が始まっていることが判明した。壁で小さな亀裂のあるモルタルを削ってみると、その下には恐ろしい光景があった。小さな亀裂の下に腕が入るくらいの深いひび割れが現れた。いくつかの耐力壁のひび割れはあたかも外につながるほどであった。専門家はこの状況を危惧し、文化観光省に報告書を提出し、即刻宝物部門の閉鎖を要望した。文化観光省も崩壊の危険性を受けて、宝物部門を7月13日に閉鎖した。トプカプ宮殿の短剣、宝石、ナーディル・シャーの玉座、エメラルドの冠、エメラルドのカップ、金の兜、オスマンの剣、黒の玉座といった価値の計り知れない宝物は、別の場所に移されて保護されている。宮殿の修復作業は始まった。

■協会には写真入りの報告書が提出された。

イスタンブル第4保護委員会に現場写真入りの報告書が提出され、詳細な調査の許可が求められた。原因は地盤の影響が大きく、近い将来この部分の擁壁における崩壊も地盤に起因するであろうという意見が認められた。保護委員会の許可によって行われた調査において、1940年代から1960年代に行われたドームと天井へのコンクリートによる修復が建物の大きな負担となり、近年ではマルマラ海におけるプレートの活動による影響で建物の崩壊をもたらしたという結論に至った。早急な修繕のために、まず地質調査を行い、すぐに地盤を安定させることが明らかにされた。当局によると、宮殿の中はマグニチュード5の地震でさえ耐えられず、早急な修繕が必要とされていることに注意を引いている。保護委員会も状況は急を要しており、このため素早く決定が下されたと述べた。ファーティフ・キョスクの修繕のためには、1千万リラが必要だろうと報告された。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:41306 )