ディヤルバクルで1トン爆弾テロ、7名死亡
2016年11月04日付 Cumhuriyet 紙

ディヤルバクル県バーラル郡において、対テロ闘争・機動隊担当局も内部に位置する警察庁のビルで爆弾テロが起きた。県知事府によって行われたテロ直後の会見では、今回のテロはPKK(クルディスタン労働者党)によって行われたと伝えられた。夜には、イスラム国(IŞİD)のアマーク通信が犯行声明を出した。県知事府は2度目の会見を行い、イスラム国の犯行声明を否定した。

ディヤルバクルの中心部であるバーラル郡で、警察庁の機動隊担当局があるビルに対し、昨日朝7時53分頃、約1トンもの爆弾を積載したミニバスによるテロが発生した。

このテロにより、2人の警官が殉職し、9人の市民が死亡、100人以上の人々が負傷した。負傷者の中には乳児も含まれており、この乳児は片方の目を失い、もう片方の目もけがを負った。県知事府は、今回のテロの実行犯はPKKであると発表し、昨夜遅くにイスラム国も犯行声明を出した。ロイター通信は、イスラム国がアマーク通信をとおして犯行声明を出したと伝えた。県知事府によって本日行われた2度目の会見では、今回のテロはPKKによる犯行であることが繰り返された。

■県知事府によって行われた2度目の会見で発表された内容は、以下のとおり

ソーシャルメディアや一部のニュースサイトで、ディヤルバクルでのテロがイスラム国による犯行であると報じられている件について、ディヤルバクル県知事府によって書面で行われた会見の内容は以下のとおり。

「2016年11月4日午前7時53分、本県バーラル郡アイドゥン・アルスラン大通りにおいて、爆発物を積載した車両によるテロが発生した。このテロを受けて、午前11時22分に県知事府より、今回のテロが分離主義勢力のテロ組織によって行われたとの発表が出された。国際的な報道機関の情報源に基づくニュースに依拠する形で、一部の報道やソーシャルメディア上では今回のテロがイスラム国による犯行であるとのニュースが流れている。(しかし)県知事府によって出された発表は、分離主義派テロ組織のメンバーらが、内部で行っていたラジオによる通信内容に基づいたものである。今回のテロに関して、分離主義派テロ組織のメンバー間で行われた3ヶ月間にわたるラジオ通信では、ケマルというコードネームの分離主義派テロ組織のメンバーによって3トンもの爆発物を使用して実行されたこと、用心棒型と呼ばれるテロであったことがはっきりと言及されていた。これらの情報に基き、今回のテロは分離主義勢力のテロ組織メンバーらによって実行されたと県知事府は明言した。今現在、ソーシャルメディアや一部の報道機関で流れているニュースは、多くの市民が犠牲となり、死亡者も出したこの凶悪なテロ事件に関して、事実とは異なる印象を形成し、そして分離主義派のテロ組織を擁護するようなニュースである。われわれ県知事府によって先に出された発表のでも述べたように、市民のみなさんには正式発表以外の報道や、異なる印象を形成するようなニュースを信用しないようお願いする。今回のテロ事件に関して始められた捜査は、多方面に及ぶとともに深部への掘り下げも継続中であり、進展があり次第、情報を開示する予定だ。」

■店舗や住宅でも陥没が

ディヤルバクルの複数箇所で発生した爆発テロにより、約1㎞の範囲内にあるビル群が甚大な被害を受け、爆発が起きた地域では巨大な穴ができた。これにより、一部の店舗や住宅でも陥没が起きた。

県内では、医療関係者や警察職員らが総動員された。テロ発生後には、隣接する県からも医療関係者や招集され、負傷者の多さ故に一部の救急車は一度に4,5人を搬送した。

■厳重な安全措置

県内では警察が非常事態に伴う安全措置をとり、特に病院へ続く道や病院前における対策が強化された。機動隊担当局のビルも並ぶアイドゥン・アルスラン大通りでは、警官らが検問を行い、上空の警備もシコルスキー型ヘリコプターによって補助された。爆発の標的となった機動隊担当局では、様々な罪で身柄を拘束されていた被疑者らが、テロ後、シルヴァン地区に続く道沿いの警察学校へと身柄を移されたことがわかった。

■11人が死亡

ディヤルバクル県知事府は、PKKが実行したと発表した今回のテロ事件において、警官2人、技術者1人、市民8人の計11人の尊い命が失われたと伝えた。死亡者の1人は、24日間にわたり勾留されていた民主地域党(DBP)所属でチュングシュ郡のレジャイ・アルタイ共同郡長であることがわかった。

■殉教者らの追悼式

殉教した警察官のセミフ・トゥルグトさんとジェマル・マヴィタシュさん、そして警察署で技術者として勤務していたハニフィ・ボアさんを弔うため、警察局の庭園内で告別式が開かれた。追悼の祈りが捧げられた後、セミフ・トゥルグトさんの遺体はネヴシェヒルへ、イスマイル・マヴィタシュさんの遺体はカイセリへ、そしてハニフィ・ボアさんの遺体はディヤルバクルのエイル郡へと送られた。トゥルグトさんとボアさんには6人の子どもがおり、マヴィタシュさんの妻も妊娠中であったという。

レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、今回のテロに関して関係者らから情報を入手した。大統領府の関係者らは、エルドアン大統領がテロの情報が入った後、午前中にはディヤルバクル県のヒュセイン・アクソイ知事に電話をし、事件に関する詳細な情報を得ていたと話した。

■ユルドゥルム首相「卑劣な攻撃」

ビナリ・ユルドゥルム首相は、今回のテロに関して行った会見において以下のように話した。「残念ながら、ディヤルバクルで分離主義勢力が計画を実行に移した。卑劣で実に嫌なその顔つきを、再びわれわれの前に向けてきたのだ。現時点で8人の死者が出ている。2人の警察官、1人の技術者、そして5名の一般市民が命を失った。テロリスト1名の死体が、われわれの管理下に運ばれている。100人を越える負傷者が出ており、内93人はすでに治療を終えて自宅に戻っているという。未だ7人が病院で手当てを受けている状況だ。犠牲者の方々へ神のご加護を、そして負傷者の方々へは1日も早い回復を祈ります。」

ベキル・ボズダー司法長官も、以下のように発言した。「ディヤルバクル県バーラル郡で起きた自動車テロにより、非常に多くの市民が負傷しました。一部の警官や市民の尊い命も奪われました。犠牲者の方々のご冥福をお祈りします。また、負傷した方々の1日も早い回復を願います。トルコはテロとの効果的な闘いを現在も進めています。これほど非常に広範囲にわたって、テロ組織と同時に闘っている国は、トルコ以外世界中どこにもありません。」

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:41541 )