寮不足につけこむジェマート組織―アダナ女子寮火災の背景
2016年12月03日付 Cumhuriyet 紙


民間の寮の数はここ14年でほぼ100%に増加した。この寮の大部分はジェマート組織に関係するものである。

アダナのアラダ―郡の教団経営の寮で発生した火災で12人が死亡し、学生らの住居問題について再び議論を呼んだ。エンサル財団のカラマンにある学生寮で起こった性的虐待が発覚になったことで多くの非難を呼んだジェマート組織の寮は、禁止にも関わらずアラダー郡のジェマート組織の寮にいた10人の学生が火災で死亡したことにより再び議論を呼んだ。国全体で民間の寮の数はここ14年間でほぼ100%増えたことを示す一方、この増加の大部分を宗教団体と諸財団により開設された寮が賄っている。

事故について見解を求めた現代生活支援協会(ÇYDD)は火曜日、子供を亡くした家族の悲しみを和らげるためにアラダ―郡に向かう。すべての市民団体を火曜日アラダ―郡に招いた協会の副代表であるギュルスン・カヤ氏は、低所得の家族の子供たちが教育を受けるに当たって生じる不平等が、ジェマート組織に向かう原因になっていると話した。

同氏は次のように話した。「この術のない家族が自分たちに援助を申し出た財団、ジェマート組織などの関係者に取り込まれることとなっている。」同氏はここ14年で公表値によれば民間の寮の数は100%に増加したと強調した。こうした寮の大半は、寄せ集めの材料の建物で開設され、資質が不明の人びとによって運営されている場所であると明らかにした。

これは、国が学生寮の必要性に見合った役割を果たすことを財団とジェマート組織に委譲していること意味する、とカヤ氏は話した。この寮の管理で過失があったこと、このことが虐待、強姦、倒壊、火災によって明らかになったと付け加えた。カヤ副代表は次のように話した。「国は、宗教的財団とさまざまな協定書に署名した。誰かに教育計画の中身を準備させた。ある者は夏の間中、公立学校で宗教教育の名のもと子供たちの頭の中を時代遅れの迷信で充たしている。」

■この法人いったい誰なのか?

統計によれば、トルコでは全国で45万5,123人の学生が住む4,741の民間の寮が存在している。この寮のうち1482は法人に所属している。しかし国民教育省この法人を誰なのか公表しない。省はこの法人名を隠すことの理由を明らかにしていない。一方で、統計では、2,432の寮は諸協会、208が財団に所属していることになっている。法人が、財団と協会とは異なり、いかなる地位を占めているのかは、別の問題を提起している。この国全体で個人経営の寮の数は619である。アラダ―のように大部分が田舎から出てきた学生が居住するために利用する寮では月額200リラの寮費である一方、 特に財団とジェマート組織に所属する寮では学生たちから寮費を取らず、さらには生活の必要を満たし、その代わりにジェマート組織の信仰に近い生活様式をとることを求められている、といわれる。

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( 翻訳者:尾形知恵 )
( 記事ID:41694 )