補助金の現金支給から6年、悪化する国民の台所事情―非科学的な政策のツケを検証する(2)
2017年01月19日付 Iran 紙

6年間にわたって支給され続けた現金による補助金は経済に何をもたらしたのか?

 さて月日がたち、インフレと通貨価値の下落によって、国民が受け取っている現金による補助金の価値は今や実質2万トマーン以下となっている。補助金目的化法の施行が開始された年から、支給される額はつねに一定だが、それに対してインフレ率は年々上昇しているのである。

 89年デイ月24日〔2011年1月14日金曜日〕に至る週のテヘランにおける食料品の小売価格の平均に関する中央銀行の報告によると、国民は支給された45500トマーン〔約1500円〕の現金による補助金で、国内産の一級米を18キロ購入することが可能だった。しかし95年〔2016/17年〕では、同種の米を5キロしか買うことができないのだ。

 大統領経済顧問のマスウード・ニーリー氏は以前、このことについて次のように述べたことがある。「支給される補助金の実際の価値は、89年〔2010/11年〕の法律の施行開始時の45,500トマーンから、93年〔2014/15年〕には19,000トマーンになってしまった〔‥‥〕」。

 93年〔2014/15年〕にも、経済省は報告書を発表し、その中で補助金目的化の第一段階の実施結果を検討しつつ、この法律が施行されて以降、イランの各世帯の経済力は25%低下し、現在世帯の31%は貧困ライン以下に位置していることを表明している。この報告書によると、補助金目的化計画の第一段階の実施の過程で、エネルギー・キャリア〔※石油やガソリン、天然ガスのこと〕の価格は500%上昇したという。

 イラン統計センターによる「年間世帯支出・予算統計」もまた、84年〔2005/06年〕には持ち家率は71.5%だったのに対し、91年〔2012/13年〕には66.6%に落ち込んだことを示している。また、住宅都市建設省が住宅計画の実施のために行った調査によると、これ以前では住宅市場に参加した世帯で自宅の購入に向かったのは、100世帯中、最低でも60世帯あったという。ところが、現在では少なくとも65世帯が賃貸市場に向かうようになっているのである。

 これらすべてのコストがマクロ経済にのしかかり、国民生活を圧迫しているのだ。〔‥‥〕

つづく


Tweet
シェア


この記事のつづきはこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:AOK )
( 記事ID:42059 )