パンに「遺伝子組み換え」の添加物
2017年03月19日付 Hurriyet 紙


近年、おそらく最も話題に上り、議論されている問題のひとつが毎日の食卓に出るパンである。ある専門家はパンが不健康であり食べるべきではないとする一方、他の専門家はパンに関しては問題なく、節度を持って食べれば有害ではないと言う。しかし、最近、ある食品技師が衝撃的な主張を当紙にもたらした。食品技師は、アダナのある食品会社が生産した、パンの製造に使用される「食品添加物」の中に遺伝子組み換え物質が存在していると主張した。

■100のパン屋のうち80にも

この主張を受けて私たちも遺伝子組み換え物質を含むと指摘されたアダナの会社が製造している「P」という食品添加物にたどり着いた。私たちはまず会社の社長に連絡をして情報を入手しようと試みた。社長は、「当社の食品添加物をアダナに100のパン屋があれば80のパン屋に売っている。最高の商品によって、顧客は非常に満足している」と述べた。社長は、商品が健康に有害かどうか、関係省庁の承認を得たかどうかという私達の質問には回答しなかった。

■検査は陽性だった

その後、この商品を私達自身で入手して、分析のためにある検査機関に送付した。2日間の検査の過程を経て、私たちが手にした結果はというと、食品技師の主張が正しいということになった。検査機関からの報告書によると、アダナの会社が生産しているパンの添加物には遺伝子組み換え物質が含まれていた。

■全てにおいて遺伝子組み換え

検査機関によると、遺伝子組み換えが検出された商品に関して次の情報がもたらされた。「検査のために送付された『パンの添加物』の検体において、遺伝子組み換えの分析が行われた。分析のために、まず、DNAの抽出が行われた。その後、遺伝子組み換え分析に移った。分析の結果、スキャンされた3つの遺伝子の場所全てで遺伝子組み換え(35S, NOS, FMV)が確認された。食品では遺伝子組み換えは禁止されているため、許容されない。このため、特定された遺伝子組み換えの量についての分析は行わなかった。分析はトルコ品質証明協会によって認可され、遺伝子組み換えの分析は食料農業牧畜省が発行した指示書に基づき専門チームによって行われた。」検査機関の説明では、法律に基づき遺伝子組み換え商品を見つけた場合に出す報告書を同時に食料農業牧畜省にも提出したという。

■わが国には動物の飼料として輸入された

農業技術者協会メンバーであるムラト・アスラン氏は、世界で遺伝子組み換え品が最も多いのは、大豆、トウモロコシ、キャノーラであるとし、「現在まで、パンと原料の小麦で、このような状況に出くわさなかった。遺伝子組み換えの大豆の添加物が使用されていることも聞いたことがなかった。 商売で利益を上げるために、こういったものを使用する可能性はある。遺伝子組み換えでない大豆はより高価であるため、こうした方法を用いうる。 現在、大豆はアメリカで生産されている。大豆の大部分は、遺伝子組み換えである。食品安全法によると、遺伝子組み換えの大豆を食品として使用することは禁止である。しかし、動物の飼料として輸入後、これらが食品として使用されるかどうかは私たちにはわからない」と述べた。

■1年間検査されていない会社がある

トルコは毎年250万トンから300万トンの大豆を輸入していると述べた農業技術者協会会長オズデン・ギュンギョルは、トルコの大豆生産量はというと、12万5千トン程であると述べた。輸入された大豆が遺伝子組み換えであっても、これが法律の範囲内で動物の飼料という目的だけならば、国に入ってくるとし、「本来、こうした物は食料として使用されてはいけない。しかし、輸入品が食料という目的で使用されているかどうかは、私達にはわからない。さらに、もっといい検査を行う必要がある。しかし、検査はトルコにおいてはあまりよくない。トルコでは67万5千件の食品会社がある。検査機関は5千である。1年中検査員が検査対象としない食品分野もある。今日まで、パンとパンの生産において、遺伝子組み換え品を見たことがない」と話した。

■食品の不正に際限はない

ウィーンに本部がある国際穀物科学技術協会の会長で、穀物テクノロジーと食品化学、食品バイオテクノロジーの専門家である、ハジェッテペ大学の食料技術学科のハミト・ギョクセル教授も、状況を「不正」と判断した。トルコでは遺伝子組み換え品を食品として使用することは許可されていないとし、「しかし、法律の範囲外であれば可能である。大豆の粉をパンの食品添加物として使用できる。しかし、遺伝子組み換えではいけない。大豆の粉の中にDNA分解酵素がある。そのDNA分解酵素がグルテンの構造を補強している。白いパンの中身をさらに白く、パンはさらに大きく膨らむ。大豆の粉をパンに少量加える。加えたとしても、あまり意図的な行動ではない。トルコに食品ではなく飼料ということで安く入ってきた安い遺伝子組み換えの大豆がある。食品目的で使用する者は、「意図的」に使用している」と話した。

■以前に私たちは警告した

以前に関係機関にいくつかの警告を行ったと説明したギョクセル教授は、「関係機関に『あなた方は食料目的の許可はしない。飼料目的で使用できるとおっしゃるが、悪意のある人物たちはこれらを食料用として使用できる』という形で警告を発した。食料の不正を行う人は際限を知らない。より多くの利益を得るために行動する人物たちは、 人々の健康を弄ぶことができる」と述べた。

■さらに多くの調査と検査が行われるべきだ

食料技師協会ユスフ・ソンギュル会長も問題について次のよう述べた。「これまで食料に関して遺伝子組み換え品を許可しなかった。飼料としてのみ遺伝子組み換え品を使用できる。しかし、調査を行った結果明らかになったパンの添加物は、直接、人間の食料で明らかになった初めての遺伝子組み換え品の一つである。これらを阻止するために、さらなる検査が必要である。人々を自由にさせていれば、あらゆることやってしまう。より多くの調査を行えば、多くのことが顕在化する。」

■12年までの懲役

食品安全法によると、法律に定められた遺伝子組み換え品を除いては、つまり、動物の飼料として許可を与えられた物以外、人の食料として使用することは禁止されている。また、法律によると、食品安全法の条項に適合しないものについて、共和国検察に告発されると、市場への出荷は阻止される。検察の決定に沿い、1年から12年の懲役、20万リラまでの過料、あるいは、1万日までの罰金の可能性がある。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:42324 )